全国保育士会がめざしていること

全国保育士会がめざしていること

(1)概要

 全国保育士会は、昭和31年に「子どもたちのまことの幸福を守るために保母は手をつなぎ、たちあがろう!」という呼びかけに賛同した人たちの手によってつくられ、現在では18万8千人余を会員とする(令和3年度時点)、わが国最大の保育士・保育教諭等の組織です。

(2)特徴

 全国保育士会の特徴は、大きく下記の4点があげられます。

  • 全国の保育士・保育教諭等が「全国保育士会倫理綱領」の理念をもとに、「子どもの育ちを支え、保護者の子育てを支え、子どもと子育てにやさしい社会をつくる」ことを目的に事業をすすめていること。
  • 専門職としての誇りと責任をもち、会員が一体となって保育の質の向上および自らの専門性の向上をめざしていること。
  • 全国的ネットワークによる活動展開により、幅広い視野をもって各種事業に取り組んでいること。
  • 全国の福祉関係者や、福祉施設等組織の連絡・調整機関である社会福祉協議会と協働するとともに、幅広く児童福祉施設協議会等と連携・協働し、子ども家庭福祉を推進していること。

(3)令和4年度事業計画の柱

 令和4年度は、事業計画に下記の4つの大きな柱をかかげ、事業を展開しています。

  • 子どもが豊かに育つ質の高い保育の実現
  • 専門性の発揮できる環境構築
  • 乳幼児教育への理解促進
  • 困難な状況下の保育士等支援

(4)重点事業

1.社会の変化に対応した保育内容の実践と発信

  • わが国では、少子高齢化が急速に進展して人口減少に転じるとともに、核家族化や就業形態の変化なども進んでおり、今後保育を取り巻く環境も大きく変化することが予想される。このような状況においても「子どもの最善の利益」を保障し続けるため、子どもの育ちに最適な保育内容に必要な要素等について特別委員会において「地域支援事業に向けた取り組み」と一体的に検討し、保育関係者はもとより、行政や地域社会に広く発信する。

2.地域支援事業に向けた取り組み

  • 児童虐待防止のための市町村における子育て家庭の支援強化に向けた児童福祉法の改正を見据え、保育所等が地域の子育て家庭支援の中核的な役割をこれまで以上に発揮すべく、保育者の専門性の観点から具体的に考えられる地域支援の内容や、多職種・多機関との連携も含めて展開にあたって必要となる体制等について検討・整理する。具体的には、特別委員会において「社会の変化に対応した保育内容」と一体的に検討し、地域生活課題の解決に向けた取り組みを推進する。

3.保育士会組織の強化と支援体制の強化

  • 令和3年度実施の「都道府県・指定都市保育士会組織に関する調査」の結果と分析を踏まえ、各県・市組織の課題対策や強化のための取り組みを実施し、全国保育士会の組織力の強化につなげる。各ブロックや各県・市組織、各園の取り組みや課題を共有するとともに、全国保育士会の取り組みについて周知する。
  • 会員増に向けて、会員対象事業の実施とともに、会員名簿の更新や「保育士会だより」等の情報発信の強化等による全国保育士会の取り組み周知を通じて、会員の帰属意識のさらなる向上を図る。

4.保育の魅力発信

  • 長期化するコロナ禍において、社会のインフラでもある保育の魅力ややりがいを広く社会に発信し、保育士・保育教諭の仕事について、正しく理解できるような情報提供を行う。
  • 保育者に向けた保育の魅力の発信により、自身の保育を振り返り、改めて社会的意義と役割の大きい保育という仕事のやりがいを認識し、向上心を高めることで質の向上につなげる。