保育士の仕事について

保育士って?

保育士とは、かつて「保母」や「保父」と言われていたもので、児童福祉法第18条において、「登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者」と規定されています。

保育士はどこで働くことができるの?

保育所のほかに、児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設、乳児院、母子生活支援施設、児童厚生施設、児童自立支援施設で働くことができます。

また、保育士が名称独占の専門職となったことで、今後、保育士の職場はさらに拡大されると考えられます。

保育士の資格を取得するには?

保育士資格をとるには主に次の3つの方法があります。

  1. 高等学校卒業後、大学・短期大学・専修学校などの保育士養成機関に入学し、所定の単位を取得して卒業する。
  2. 大学・短期大学の通信教育または夜間を受け、所定の単位を取得して卒業する。
  3. 各都道府県が実施する保育士資格試験に合格する。

保育士が国家資格になったってどういうこと?

平成13年11月30日に児童福祉法の一部を改正する法律が公布され、平成15年11月29日にこれが施行されることにより、保育士は国家資格となりました。

これは、認可外保育施設が起こした事故等により保育所及び保育士の社会的信用が損なわれたことへの対策と、保育士が地域社会の子育て支援のために一層役割を果たしていくことが求められていることをきっかけとして改正されたものです。

法改正により、保育士でない者が保育士またはこれに紛らわしい名称を使用してはならないという名称独占規定や、対人援助職としての義務としての守秘義務や信用失墜行為の禁止なども規定されました。

保育士の仕事って?

保育士は乳児から小学校入学前の保育を必要とする子どもを預かり、保護者に代わり子育てを実践することが仕事の中心です。

保育所では、朝、子どもの健康状態に気をつけながら受けいれ、年齢や発達にあわせた遊びや活動、生活等の体験を通した総合的な関わりの中で成長の援助を行っています。

また、保育所保育指針に基づいた「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5領域に配慮しながら、相互の関連をもち、養護と教育が一体となって豊かな人間性をもった子どもの育成を図っています。

昨今では多様なニーズに応えるため、朝7時頃から子どもを受け入れ、夜は19時、20時まで延長保育を行っている保育所も多く、その他、夜間保育、休日保育といったさまざまなかたちの保育が行われるようになっています。

保育士の仕事は子どもたちと直接関わることだけではなく、子どもの様子を保育日誌などの記録にとることや、子どもの健やかな育ちのために、保護者や他機関との連携をとることも重要な仕事です。

最近では、地域の子育て支援として、相談事業や学童保育に取り組む保育所も増え、保育士は子育ての専門職として大いに期待されています。

全国保育士会では、保育士一人ひとりが子どもの育ちと地域の子育てを支えていくため、会員行動指標として「全国保育士会倫理綱領」を策定しています。

また、それぞれの条文の解説と実際の事例が掲載された「全国保育士会倫理綱領ガイドブック」も発行しています。

保育所保育指針とは?

年齢ごとに子どもの特徴や保育の内容とねらい、配慮事項を示したもので、保育所保育をすすめる上での手引きとなるものです。

幼保連携型認定こども園教育・保育要領とは?

幼保連携型認定こども園の教育課程その他の教育及び保育の内容や配慮すべき内容等に関する事項を定めたものです。

他機関との連携とは?

現在、保育所が地域に果たす役割も多くなってきています。保育所が地域において果たすべき役割と、そのできる限界を認識した上で、他の機関と連携をとることも必要です。具体的には、児童相談所、保健所、福祉事務所、民生委員、児童委員、学校機関、医療機関、警察などかんがえられますが、それぞれが果たす役割・機能を認識し、それぞれの役割・機能を生かしながら、子どもの保育にあたることが大切です。そのためにも日頃から、関係機関とのつながりを持っておくことが、より有効に連携をとることができます。

地域子育て支援とは?

さまざまな機関が子育てを支えている中で、保育所・認定こども園等ではその拠点となることが期待されています。子育て中の親子が集える場所や子育てを一緒に学べる場を提供すること、子育ての不安や悩みを共有し、支えていくことなど多様な支援が求められています。