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<ニュースの内容>
■ 総合的な子ども・子育て支援を推進 〜平成22年度全国児童福祉主管課長会議が開催される〜
■ 大綱化の方向で議論 〜こども指針(仮称)WT第4回会合が開催〜
■ 3歳児神話?「幼保一体化について(案)」へ反対意見噴出 〜基本制度WT第10回会合〜
■ 3歳で子どもの育ちを分断することに反対意見相次ぐ 〜幼保一体化WT第7回会合〜
■ 「幼保一体化について(案)」に対して働きかけを行う
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総合的な子ども・子育て支援を推進
〜平成22年度全国児童福祉主管課長会議が開催される〜
2月10日に全国児童福祉主管課長会議が、厚生労働省の講堂において開催され、平成23年度児童福祉関係予算案にともなう雇用均等・児童家庭局等の事業の説明がありました。厳しい財政事情のなか、総合的な子ども・子育て支援を推進するために昨年度より1.2倍増の2兆7,738億円を計上したと説明がありましたが、予算のうち、1兆9,479億円(70%)は子ども手当ての予算となっています。
なお、保育所待機児童の解消では、民間保育所における受け入れ児童数5万人の確保、家庭的保育など保育サービスの提供手段の拡充、延長保育、病児・病後児保育や夜間、休日保育等保護者の多様な保育ニーズへの対応等施策の充実が図られています。
また、待機児童解消『先取り』プロジェクトに基づく新たな交付金が、ソフト交付金から組み換えられて示されています。
報告概要 (記録事務局)
1.開会あいさつ(石井大臣官房審議官)
?平成23年度児童福祉関係予算案は、総合的な子ども・子育て支援を推進するため、厳しい財政事情ではあるが、昨年度より1.2倍増の2兆7,738億円を確保した。子ども・子育てビジョンの達成にむけ保育所待機児童解消を目的として4,100億円を計上し、民間保育所における受け入れ児童数5万人の確保、家庭的保育など保育サービスの提供手段の拡充、延長保育、病児・病後児保育や夜間、休日保育等保護者の多様な保育ニーズへの対応等施策の充実を図った。要保護児童家庭対策については、乳児家庭全戸訪問事業、虐待対応の中心的な役割を担う児童相談所の専門性の強化、児童養護施設の小規模化の推進等社会的養護の充実の経費として、859億円を計上した。
?平成23年度の子ども手当の支給等における法律案は1月28日に閣議決定し、国会に上程した。3歳未満の子ども一人につき月額20,000円、3歳以上(中学校修了まで)の子どもは月額13,000円を支給することに加え、地方からの要望があった保育料や学校給食費等を子ども手当から徴収することができる仕組みを作った。国会の情勢にもよるが、4月1日施行を予定している。
?国と自治体が一体的に取り組む待機児童解消「先取り」プロジェクトでは、待機児童解消に先進的に取り組む自治体を支援するための施策として手あげ方式で実施するものであり、積極的な活用をお願いしたい。
2.各課の説明
(1)子ども手当てについて(鹿沼子ども手当管理室長)
*別冊資料 子ども手当関係別冊①②により説明
?【別冊資料 p1】平成23年度の子ども手当は、5大臣合意により3歳未満の子どもについては月額7,000円を引き上げることが決まった。この新たな負担については、当初は扶養控除等の見直しによる地方財政の増収分を充てることとしたが地方の反対もあり、平成23年度は地方特例交付金の減額等により国庫で負担することとした。
?法律案の名称は、新たに現物サービスの考え方(主な変更点⑥を参照)を入れたことにともない、「子ども手当の支給等における法律案」と名称が変更となっている。
?主な変更点は、①3歳未満は7,000円を引き上げ、一人月額20,000円とした。②子どもに対し国内居住要件を設けた。③児童養護施設等に入所している子ども等への対応は施設の設置者等に支給する。④両親が別居している場合は、子どもと同居している親に支給する。⑤保育料や学校給食費などに充当することを可能とした。⑥地域独自の子育て支援サービス(現物サービス)や待機児童対策を実施するための交付金を新設した。施行日は平成23年4月1日であるが、上記②から④は、6月分からの適用となる。
(2)児童健全育成施策の推進について(真野育成環境課長)
?【別冊資料「現物サービス拡充のための新たな交付金(子育て支援交付金)について」】現物サービスの拡充のための新たな交付金(子育て支援交付金)を創設し、平成23年度予算として500億円を計上した。交付対象事業は、①国と自治体が一体的に取り組む待機児童解消「先取り」プロジェクト事業 ②地方独自の子育て支援推進事業 ③次世代育成支援対策推進事業 ④子育て支援環境整備事業 の4事業。②地方独自の子育て支援推進事業の対象は、地域の実情を踏まえて市町村が独自に行う子育て支援事業のうち新規に行う事業と対象児童の年齢範囲の拡大や所得制限の引き下げ等すでに実施している事業の拡充にあたる部分等が該当の事業となる。
?【資料p330】放課後児童対策は、子ども・子育てビジョンにより地域のニーズにあわせて整備を進めているが、ニーズは依然として高い状況にあり、待機児童は約8,000人(平成22年5月現在)となっている。今後も待機児童数の把握とその解消に向けた取り組みをお願いしたい。また、「子ども・子育て新システム」においては、一律の基準と市町村の権限について検討をしている。保育サービスの利用者が就学後に引き続きサービスが受けられるよう、ヵ所数の増や加算額の増など運営費補助額の改善を図る。さらに小学4年生以上の児童、障害のある児童やひとり親家庭の児童の優先的利用について配慮をお願いしたい。
(3)子ども・子育て支援の推進について(黒田少子化対策企画室長)
?子ども・子育て新システムについては、「子ども・子育て新システム検討会議作業グループ」に設置されたワーキングチームにおいて具体的な検討が進められており、その検討状況について報告。
?【資料 p38】「子ども・子育て新システム」の基本的な考え方は①すべての子どもへの良質な生育環境を保障し、子ども・子育てを社会全体で支援 ②切れ目のないサービス・給付を保障 ③地域の多様なニーズに応じたサービス ④基礎自治体(市町村)中心 ⑤政府の推進体制・財源の一元化 ⑥ワークライフバランス の6点
?【資料 p40】子ども・子育て新システムのイメージ図では、昨年6月の基本制度案要綱から一部変更がある。実施主体である市町村に特別会計の設置の義務付けを外した。市町村に入った国や都道府県からのお金が子どものために使われることをどう確保するかを議論することであり、透明度を確保することが重要である。また、新しい仕組みのなかで、当事者が政策の立案から実施、チェック、効果の検証等を行う場として国に子ども・子育て会議(仮称)を設置する。地方自治体にも設置する方向で検討しているがその置き方については児童福祉審議会等の活用等も含めて柔軟に検討している。
?【資料 p41】利用者の選択にもとづく給付の保障では、市町村の関与の下、利用者と事業者との契約となるが、利用の支援や斡旋など市町村の権限の位置づけについては幼保一体化ワーキングチームで検討中である。また、保育の必要性の認定は市町村が行い、就業状況が変化しても使えるよう区分は2区分程度とする。
?【資料 p43】今後の検討課題の主なものは3点。①国、都道府県、市町村の役割分担を行う。市町村は実施主体として、利用者と事業者の契約に任せるだけではなく適切なサービスの確実な利用支援の責務や潜在的ニーズを把握し計画的なサービスの提供体制の確保と基盤整備の責務がある。【資料 P44】国の役割は、新システムの制度設計と「基本指針」の策定、市町村への子ども・子育て包括金(仮称)の交付等、制度の根幹にかかるもの。都道府県の役割は「新システム事業支援計画(仮称)」策定し、市町村における制度の円滑な運営への支援や社会的養護等専門性が必要な事業を行う。いずれも実施主体である市町村を重層的に支援するものとして、その責務を法律上明記する。
?【資料 p49】②幼保一体化の具体化は、幼児教育と保育をともに提供する施設としてこども園(仮称)を創設。幼稚園や保育所のこども園(仮称)への移行について財政的インセンティブを図るなど政策的に誘導する。【資料 p72】また、人口集中地域と過疎地域等、地域の状況に応じて、こども園(仮称)と多様な保育サービスの組み合わせで幼保一体化を進める。【資料 p79】③恒久財源の確保は、平成22年12月14日に閣議決定された「社会保障改革の推進について」において、優先課題として位置づけている。
(4)保育対策等の推進について(今里保育課長)
?【資料 p356】家庭的保育事業における主な改正点は4点。①平成23年度予算案において、連携保育所経費の増と家庭的保育補助者経費の加算 ②待機児童解消先取りプロジェクトに参加する自治体において実施する改修事業の補助率の嵩上げの要件緩和や賃借料単価の引き上げを予定 ③安心こども基金で試行的に実施していたNPO法人等への委託の要件緩和 ④「連携保育所」の規定に一定の要件を満たした幼稚園を対象、市町村自らが支援体制を図る場合は国庫補助の対象とした。
?【資料 p357】病児・病後児保育事業は、医療機関や保育所等の施設型に加えて、非施設型(訪問型)をモデル的に実施する。体調不良児対応型は、別途定めていた採択基準を実施要綱に新たに規定することとした。
?保育所運営費の改善は、待機児童解消をはかるための「子ども・子育てビジョン」にもとづく受けいれ児童数5万人の増員にともなう運営費の拡充を行った。【資料 p370】4月2日生まれの児童に対する保育単価の適用年齢を学校教育法にもとづくクラス編制の実態と整合性を図ることとした。職員配置等対応ができない場合は1年の経過措置を行う。詳細は2月末を目途に示す交付要綱改正(案)を参照いただきたい。
?【資料 p359】認定こども園は、532ヵ所(平成22年4月1日現在)であり、目標は2,000ヵ所であり、引き続き取り組んでいただきたい。幼保一体化におけるこども園との関係では、認可を有しているところは移行する。地方裁量型はこども園の基準を満たせば移行する。
?【資料 p360】地域主権改革推進法案は平成22年度通常国会に提出され現在継続審議中である。今後の地域主権改革については、都道府県及び特定市町村の策定する保育計画の公表は義務から努力義務化の方向で検討中。
(5)国と自治体が一体的に取り組む待機児童解消「先取り」プロジェクト〔待機児童ゼロ特命チーム〕について(小村内閣府参事官)
?【別冊資料 国と自治体が一体的に取り組む待機児童解消「先取り」プロジェクト〔待機児童ゼロ特命チーム〕について p13】対象となる市町村は、待機児童数が10人以上(平成22年10月1日現在)であり、保育所緊急整備事業等7本の事業が対象となる。
(6)仕事と家庭の両立支援対策の推進について(深崎職業家庭両立課長)
?【資料 p188】育児休業・介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律が平成22年6月30日に施行され、整備と定着の周知徹底を図っている。主な改正内容は4点。①子育て期間中の働き方の見直し ②父親も子育てができる働き方の実現 ③仕事と介護の両立支援 ④実効性の確保
?【資料 p190】次世代法に基く企業の行動計画策定・届出・公表・周知が義務付けられる企業が、平成23年4月1日より、従業員数101人以上の企業に拡大される。
(7)子どもの安全確認・安全確保の徹底について(杉上虐待防止対策室長)
(8)児童虐待防止のための親権制度の見直しについて(杉上虐待防止対策室長)
*資料に沿って説明
?【資料 p171】 社会保障審議会児童部会児童虐待防止のための親権のあり方に関する専門委員会の報告書について、施設入所等の措置がとられている場合は入所中の児童等のために監護、教育及び懲戒に関する措置は親権者が不当に主張してはならないことなど7つの要点がまとめられた。
(9)社会的養護の推進等について(高橋家庭福祉課長)
?【資料 p197】施設の小規模化、施設機能の地域分散化の推進については、これまでも社保審児童部会社会的養護専門委員会で議論してきたが、新たに課題検討委員会を設置した。やれることからスピード感を持ってやりたい。小規模グループケアと地域小規模児童養護施設は子ども・子育てビジョンの数値目標に向かって推進したい。実施要綱案の改正を行う予定だが、詳細な実施要綱案は近日中にメールで周知する。
?政策の方向性に従ってやっていただけるところは引き上げていきたい。家庭に近い環境が望ましいと考えており、地域小規模児童養護施設よりもファミリーホームの拡充を推進したいと考えている。施設がファミリーホームを設置したり、里親支援を推進する方向性も示している。
?【資料 p198】里親委託等の推進について、里親委託のガイドラインは4月くらいに通知したい。里親委託の優先原則をどのように盛り込んでいくかを検討中。また、20歳までの措置延長を十分に活用してほしい。
?【資料 p198】情緒障害児短期治療施設の設置推進について、情短施設は各県1か所程度の設置をしていただきたい。既存の児童養護施設の転換も含めすすめていただきたい。医師の配置が課題であると聞いているが、常勤1名分の人件費があるので、2名で交互に勤務する工夫などにより活用してほしい。
?【資料 p199】母子生活支援施設の新しい機能・役割の推進について、近年DV被害や児童虐待への対応において重要な役割を担っているが、施設によってはその役割が十分に果たせていないのでしっかり活用させてほしい。
?最低基準の改正について、5・6月くらいに省令を改正して交付したい。面積基準の引き上げを行うことについて質問をいただいているが、交付日の段階で既存・改築中のものは従前どおりでよいとする方向で考えている。施設の種別変更にも対応できるようにする。人員配置基準について、当面、新たな予算措置の必要のない加配職員の基準化等を行う。根本的な配置基準の改正等、予算を必要とするものについては、新システムの「質の向上」に絡めて財源を確保してやっていきたいと考えている。
?【資料 p218】まだ大規模施設が7割という現状であるが小規模化に舵を切っていこうということについては施設団体も理解している。進学、就職の状況について、施設の子どもの大学等への進学率はまだ低い。進学支援については支度費の充実だけでなく、措置延長等も考えたい。
(10)母子家庭等自立支援対策について(竹林母子家庭等自立支援室長)
*資料に沿って説明
?母子自立支援プログラム策定事業は、平成23年度予算案においては父子家庭の父を対象としたので積極的な実施をお願いしたい。
(11)配偶者からの暴力対策等について(竹林母子家庭等自立支援室長)
*資料に沿って説明
(12)母子保健対策の推進について(宮嵜母子保健課長)
*資料に沿って説明
3.閉会あいさつ(高井雇用均等・児童家庭局長)
?子ども手当は施行までのスケジュールがタイトであり、ぜひ地方自治体の協力をいただきたい。
?23年度予算成立後について、「子ども・子育て新システム」が優先課題である。国と地方の役割分担を明らかにしていきたい。
?次世代育成支援の一般事業主行動計画が、平成23年4月より従業員数100名以上のところに拡大されるが、22年12月現在15%と策定率が低い。積極的な推進を図ってほしい。
大綱化の方向で議論
〜こども指針(仮称)WT第4回会合が開催〜
2月16日に子ども・子育て新システム検討会議こども指針(仮称)WTの第4回が開催されました。今回は、(1)教育時間・保育時間について、(2)子どもの発達(発達の特性、発達過程)について意見交換が行われました。委員からは、教育時間・保育時間を実践者が使うことを目的としたこども指針(仮称)に具体的に記載する必要があるのか、24時間(1日)の生活全体のなかで子どもの育ちをとらえることが大切である、子どもの発達(発達の特性、発達過程)については、発達の連続性や子ども同士の関わりの中で発達を捉える視点が必要であるなどといった意見が出されました。なお、1月24日の幼保一体化WTで示されたこども園(仮称)の姿とこども指針(仮称)の関連についても意見が出されました。
本会から出席している御園会長は、保育所では、教育時間、保育時間というように分けずに、子どもが保育所で過ごす時間のなかで、教育と養護を一体として保育を提供していること、乳児期から就学前までの発達の連続性と子ども一人ひとりの発達の状況を踏まえることが重要であることを強調しました。
議事概要 (記録事務局) (敬称略)
1.教育時間・保育時間について
文部科学省濱谷課長が資料に基づき説明を行った。
無藤座長:(これまでの会合では、)教育・保育の用語について協議してきた。今回の協議題である教育時間・保育時間である教育時間は、学校教育上に位置づけられている教育時間である。これがこども園になった場合に一日における教育時間をどう考えるかであるが、開始時間等を細かに規定するのではなく、具体化は各園で適宜行うという考え方である。
藤森委員(全国私立保育園連盟):私の保育園では、夜8時半まで保育しているが、親も子も疲れており余裕がないように思える。帰宅後の子どもの生活を考えると、保育園で過ごすのは7時までが限界という保育者もいる。生活を見直すことや、子どもにとって良い保育時間は、という考え方、1週間の延べ保育時間のめやすを示すことが必要ではないか。
無藤座長:今の指摘は、こども指針(仮称)上の理念における子どもや保育の考え方と、具体的に時間の制約を課すのか、あるいは地域で個別に考えるのかは、今後議論したい。
秋田委員(東京大学大学院教授):品川区の保育園は、夜10時までの開所時間を短縮するなど時間の見直しの動きがある。子どもの生活全体をみて保育時間等の考え方を示していくことが大事ではないか。確認事項であるが、標準の教育時間や保育時間を指針という実践者が扱うものに客観的な時間を書き込むという提案なのか。それとも省令などで時間を規定するのか。また、指針に記載するということは、こども園(仮称)の保育時間の考え方だけでなく、開所する時間と、保育の認定に関わってくると考えられる。短時間保育や週4日などの場合も基本は子どもの生活リズムを考え、例えば8時間の利用を認めていくということなのか。また、親の就労等実態による利用の視点だけでなく、子どもの生活リズムを尊重する視点から利用時間を考えるという議論をするということのなか、確認したい。
濱谷文科省課長:前回の議論でこども指針の構成として事務局から示した原案で時間を定義することを提案したが、それは、今後の議論による。また子どもがこども園(仮称)で過ごす適切な時間はという観点からの議論は、給付等制度に関わってくるのでこのWTだけでは完結できないが議論はしていただきたい。
無藤座長:保護者の保育ニーズを客観的な範囲でみたすことと、子どもの生活の観点から時間に幅を持たすこと、急な残業等日々の状況にも配慮する必要がある。子どもによって時間をきざむと現場では対応ができないこともある。基本制度WTでそういったことも踏まえて議論がされると思われる。
大場委員(大妻女子大学学長):こども指針(仮称)のなかでの時間の問題は、子どもの24時間の生活をどうみるかということである。こども園(仮称)で子どもが過ごす時間に話が焦点化しているが、地域の家庭での子どもの24時間の生活を視野に入れて、短時間や長時間利用のあり方の議論を組み立てていくことが必要である。こども指針(仮称)に時間を表記することについては慎重を期すべきである。
小田委員(国立特別支援教育総合研究所):教育時間の4時間について(別の場で)以前議論をしたことがあるが、子どもの側にたった時にどういった時間が必要なのか、子どもの発達の関係と、親の都合で延ばされたり、自由に変えられないよう、(ある意味)親への教育的要素をこめて定めた。こども指針(仮称)に記載する場合の立ち位置をどこにおくのかが大切なことである。細かな時間の議論は不要ではないか。
田中委員(全日本私立幼稚園):コアのカリキュラムとして現実的に必要な時間はあるが、現場の感覚として4時間は集団活動を持続させる集中力の限界に近い数字である。保育所は8時間利用の場合、何時に登園してもそこから8時間利用するというようなっているのか。こども園(仮称)でその利用の仕方を認めた場合、子ども一人ひとりの活動を集団の中で保障するには、一定の時間設定が必要で、それをコアにして組み立てることが必要となるのではないか。施設にいる時間には限界がある、それを超えた場合は、施設に長時間いることだけではなく家庭的な雰囲気がある別の仕組みが必要ではないか。
御園委員(全国保育士会・全国保育協議会):4時間が限界という話があったが、保育所の利用時間は8時 間とされているが、実態としては、利用限度の規定はない。11時間、さらにそれを越えて延長保育もしている。保育所は24時間の子ども生活を見据えて、教育と養護を分けず に一体的な保育をしている。保育所では時間や日数にかかわらずそういった視点にたって保育をしてきている。そのことを理解していただきたい。また、これまでの議論もそうであるが、子どもはいかなる存在であり、どう育てるのか、おとながどう関わるのということについて共通理解を持つことが大切である。
山縣委員(大阪市立大学教授):①指針は大綱化すべきである。生活時間の意味について書き込むのは良いが、教育時間・保育時間を含めて細かいことを書き込むのは適切でない。家庭での生活内容の充実、24時間、日曜日を含む1週間の生活のなかで見ていく視点があってよい。②こども指針(仮称)に時間を書かないことを前提に意見を申しあげたい。こども園(仮称)の開所時間、開所時間帯は、就労の保護者にとって卵が先か鶏が先かの話になる。藤森委員の意見は理念として賛同するが社会がそれを認知していない現状で保護者に不安を与えることになり、反対の声が大きくなるような気がする。
渡辺委員(全国認定こども園連絡協議会):24時間を視野に入れることは賛成。しかし、保育時間が延びると、保護者の働き方も長くなる。文科省が、早寝早起き朝ごはんや小学校との接続などに取り組んでいるが、こどもの生活、子ども育ちをどう捉えていくのか。親の就労の有無にかかわらず、ミニマムで子育てをどう考えていくのか。地域や家庭で保護者がつながりながらこどもを育てるかを話し合うことが大事ではないか。
竹下委員(保育園を考える親の会):大綱化されるということから考えると、教育時間・保育時間の書き込みは慎重にしていただきたい。親の就労状況によって保育を必要とみなされる時間が変わる。そのような議論がされているなかで、教育時間・保育時間を規定するのはどうか。育児休暇中の1年に限ってきょうだいの上の子を預かることを認めている自治体があったり、親の就労形態によって対応が違う自治体があるので保護者が困っている現実がある。私自身が認可と認可外保育所を掛け持ちで利用しており、迎えの時間に間に合わなくなることもある。また、工場などは24時間ラインでシフトを組まれて綱渡りの子育てをしている親もいるのではないか。理念はわかるが現実にはむずかしい問題がある。
松田委員(子育てひろば全国連絡協議会):地域と家庭の現状を共通認識したうえで、保育時間の議論をしてほしい。保育時間の長い短いということだけではなく、子どもが育つ環境が24時間の中で保障されることが必要である。時間や子どもを限定しないで教育・保育を保証することが大事、親からニーズは出にくい、子どもをどう育てていくかを地域で一緒に考えられるような専門性がこども園(仮称)に求められる。また、家庭に対しては指導的であってほしくない。
島田委員(日本保育協会):社会の変化に伴い、幼稚園も保育園も変化への対応を迫られた。その中で従来どおりの教育要領や保育指針では対応できなかった。そういう状況で大切にしたことは生活をどこまで意識して、子どもたちを幼稚園や保育園でみていくかという観点であり、そのことが必要である。遊びの中に教育的要素があるが、そのベースには生活があることをこども指針(仮称)ではおさえていただきたい。
岡上委員(全国幼児教育研究協会):大綱化は賛成。御園委員から保育園でも教育をしており、4時間の限界がどうかという意見もあった。書き方にもよるが、4時間を示すことが必要と考える。4時間を標準とするとの考え方は、こどもの体力、地域の状況を考慮している。調査から5.5時間という実態が示されているが、それを標準として示すと、それぞれが判断してそれを上回る実態が起きる。ただし、給付との関係では議論が必要。
荒木委員(全国国公立幼稚園長会):標準4時間が適切と現場で感じている。1日の活動の流れで、子どもは緊張感をもって登園してくる。集団教育のなかで適応できて社会性を育てることを大切にしたい。
王寺代理(全国認定こども園協会):こども園で過ごすすべての時間に学びがある。現行4時間や11時間にこだわることなくこども園(仮称)として過ごす時間として考えたらどうか。
秋田委員:子どもにさせたい経験や活動の時間を集団の中でどう保障していくかという観点から書き込むことが必要ではないか。また、保育時間は子どもにかかわっている時間だけではなく、保育の準備や研修等にかかる時間を含めたものが保育時間であるという考え方をすることが必要ではないか。
田中委員:集団として活動する場合、5分遅れると活動に入れない子どももいる。すべての子どもが時間的にも体力的にも参加できることで教育効果がある。そのようなことを踏まえてコアの教育時間、幼児期からの学びを保障する仕組みを議論していただきたい。
2・子どもの発達(発達の特性、発達過程)について
文科省濱谷課長が資料に基づき説明を行った。
無藤座長:論点の基本的方向は、発達の流れは入れるが、こども指針(仮称)には年齢ごとの記載はできるだけ省き、解説書において書き込んでいく。幼稚園教育要領と保育所保育指針は共通性をもって作られているが乳児保育にあたる部分、保育指針の2章の取り扱いをどうするか。現場の意見、保育所保育指針にかかわった方の意見を出していただきたい。
藤森委員:議論の前提になるが、社会の状況、子どもの置かれている環境がこども指針(仮称)に書かれるのか。それが記載され明確になると、何が必要なのかが見えてくる。集団教育は画一化されるものではないとしても、子ども同士の関わりなど シチズンシップというか、社会の一員としてどう育っていくかという観点を踏まえた集団教育という考え方にしないと誤解を生む。その時に、3歳からなのか、4時間という時間設定なのか、検討する場合、関わりを学ぶ、模倣するなどといった集団の機能に着目することが大事ではないか。私的な経験から母親と子どもだけという毎日の中で親側にも家庭だけでなく集団を求めている部分がある。0歳からの発達の連続性を踏まえることが大切であり、3歳というようにいきなり年齢で輪切りにするものではない。
大場委員:発達の特性や発達過程は丸ごとの子どもを理解するうえで繋がってくるもの。子どもは同心円的に育つものではないが、発達の領域の関連性と子どもの姿を重ねながら理解していくことが重要なポイントではないか。
小田委員:子どもの発達は行ったり来たりする。同時に5歳や6歳に留まらず幅の広い発達をしていく。保育時間や教育時間を重ねながら子どもが育つということ。発達には波はある。できていたことが、次のステップで崩れることもあり、また、できるようになっていく、それが発達の特性である。そのことを解説書に書くかどうかはわからないが子どもの発達の先を見通した書きぶりが必要ではないか。
御園委員:資料2頁の「乳幼児期の発達の姿」とあるように、乳児期からの発達を位置付けていただいたことはうれしく思う。0歳から就学前までの発達の連続性と子ども一人ひとりの発達の状況を踏まえることが重要である。保育所では、例えば2歳児の保育についても年齢の前後の発達を視野にいれている。発達を法的根拠があるものに書き込むことは難しい。こども指針(仮称)の解説書に法的拘束力をもたせるものとするのか確認したい。また、資料の7頁と9頁にある「各施設の教職員」と記載されている。先ほどは「教員」「職員」という説明であった。保育士も子どもの発達に関わる担い手であり、職員と一括りされることは遺憾である。資格の共通化を行うと新システムの基本制度案要綱にも示されており、現時点で「教職員」という用語を使うことは、配慮に欠けているといわざるを得ない。記載する用語は慎重に取りあつかっていただきたい。
無藤座長:こども園(仮称)になれば教職員という言い方ではなくなる。
王寺代理:こども指針(仮称)は誰にでもわかりやすいもの、ナショナルスタンダードなものを示してほしい。幼稚園から認定こども園となったときに、0歳の育ちがあって3歳があることを実感した。0、1歳に関わる保育者は質の高いものが必要。子どもの育ちはひとくくりではない。0、1歳の育ちをきちんと書くことも必要ではないか。また、小学校へ提出する児童保育要録の一本化の検討をお願いしたい。
無藤座長:要録の議論はこのWTで行うかどうか、いずれどこかで議論することは必要。形式は似ているが、法的位置づけは別物。
秋田委員:保育指針の改定にかかわり、細かな記載であった指針を短くする作業において、発達に関わることは年齢区分のなかで落とさないよう努力した。こども指針(仮称)を大綱化して示すことにする場合は、相互連環、発達の連続性とはどういうことなのかをきちんと書くことが大事。藤森委員が言われたシチズンシップは「2010 内閣府の子ども若者ビジョン」にも書かれている。一人ひとりが参加し共に生きていく、そういう存在として子どもが関わるという市民性の資質を書き込んでいくことが大事ではないか。
松田委員:子どもの発達に関する知識を持たないで子育てに入っている親もいる。そういった親に発達とは何か、地域の子育て支援の中で親が理解できるよう、どう伝えいくか。
山縣委員:こども指針(仮称)における実践場面と当事者間に関する意見を述べたい。①1月24日に示されたこども園(仮称))の姿では、3つの実践場面が示されているが、こども指針(仮称)が統一できるのか。それぞれの施設間での発達の視点の共有をはかることが必要になる。一方、こども園とこども指針(仮称)、幼稚園と教育要領、保育所と保育指針があり、例えば、一本化すると、こども園(仮称)はこども指針(仮称)の範囲になるが、幼稚園が該当する部分はどこか、保育園はどの部分かといった問題が発生する。そこをどう解消するのか。②解説書は慎重にと申し上げたい。保育指針の大綱化は高く評価しているが、同時に解説書が示された。子育て支援の関係でさまざまな研修会に伺うと、保育指針ではなく解説書で研修しているところが多い。解説書は従来の保育指針より分厚いものとなっている。解説書は否定しないがこども指針(仮称)策定以後、時間がたってから、地域の状況や思想信条にあったものなどの解説書が望ましいのではないか。
無藤座長:解説書を出すことは確定したことではないがその方向性は確認したと思う。制度が決まらないといえないこと。最近の議論では、こども園(仮称)と一部幼稚園、乳児保育所が残る、従来ものを適用するのか、乳児保育所は当てはまらない。制度が決まった時に議論する。
藤森委員:発達の特性の原則であるが、子どもは自ら育つ存在であることを前提にしたうえで述べたい。私の保育園では、(子どもの)成長展を実施している。子どもがどう育ってきたかを見せるだけでなく、保育士がどう働きかけたかを示している。子どもは環境のなかで、一番影響を受けることは、子ども同士の関わり。記載されている発達過程より「はやい」と感じている。子ども集団のなかで体験の多さなどが施設のよさである。それを現場は親にどう伝えていくか。
渡辺委員:大綱化は大事である。細かくしてしまうことの怖さがある。例えば雪合戦などは、能力的にはできるがやりたくないという子どももいる。また、受容されたり寄り添ってもらうとできるということもある。できるかできないかで見ていくのではなく、さまざまな子どもが育つ環境も含めてどう育っていくかをみていくこと。結果だけではないことを大切したい。また、乳幼児期に子どもに寄り添うことで子どもは育つが、5歳児はある程度の集団規模も必要である。
岡上委員:大綱化された内容、その背景、確認された意味を理解するためには解説書は必要であると思う。解説書はマニュアルととらえてはいないが、そのもつ意味を読み込んでいくことが重要であり、それを指導につなげていく。そういった原則を理解したうえで示していくもの。
竹下委員:発達についてさまざまな考えがあることを知り勉強になった。教育産業からの教材のダイレクトメールには、子どもを評価、チェックすることが強調されていて親としては不安になる。解説書は親が安心して子育てできるものにしてほしい。また、子どもに対する大人の思いを入れることも大切ではないか。子どもの中には自己肯定感が低い子もいるので、セルフケアの視点やエンパワメントの視点も大綱化に入れてほしい。
荒木委員:0〜2歳児について書かれている保育所保育指針は、こども指針(仮称)の発達過程においても参考になる。社会の一員として子どもの成長を願う指針とする。そのためにも豊かな環境が保障されることが大事。
秋田委員:大綱化はスタンダードなもの。解説書の位置づけとなぜ大綱化するか、最低限おえることは何か、議論することが大事。最低限守るものが大綱化でありそれを地域に応じて実践につなげていくことが重要である、各施設が自立的に判断することが大切である。
3歳児神話?「幼保一体化について(案)」へ反対意見噴出
〜基本制度WT第10回会合〜
2月21日に基本制度WT第10回会合が開催されました。第10回会合の議題は、①放課後児童給付(仮称)について、②一時預かり等について、でしたが、全保協の菊池副会長の「3歳で子どもを切り分ける制度とするべきではない」という発言を皮切りに、幼保一体化WT第6回(1月24日)で示された「幼保一体化について(案)」に批判が相次ぎ、これらの意見を受ける形で大日向委員(幼保一体化WT座長)が幼保一体化WTでの再検討について発言されました。
議事概要 (記録事務局) (敬称略)
(1)放課後児童給付(仮称)について
貝ノ瀬三鷹市教育委員長および真田祐全国学童保育連絡協議会事務局次長より、放課後児童クラブの実情について報告された後、事務局が説明し(説明者:黒田少子化対策企画室長)、意見交換を行った。
貝ノ瀬参考人(三鷹市):学童は24か所、指定管理者制度で運営(1か所以外は社協運営)。
学校はコミュニティ・スクールとして地域の拠点になる。学校においては放課後子ども教室を学童クラブとして相互乗り入れをしており、きらめきボランティアという名前で家族や地域の方々が特徴や趣味を生かして放課後の児童クラブ活動を支えていただいている。
課題は学校や保育所との連携、校長含めての教員の意識改革
真田参考人(全国学童保育連絡協議会):先日、沖縄県に行ったが、学童と貧困対策の必要性を痛感した。 沖縄では低学年の学童入会率16%(全国から見ると44番目の低さ)。父母会運営方式が多く、自治体からの補助がほとんどないため、施設設備も保護者が家を借りて実施していることが多い。
保護者負担にはねかえるために、経済的に厳しい家庭や母子家庭は利用できないのが実情。
11月15日に資料で出されたものに横浜市の放課後児童健全育成事業の事例があったが、一方、放課後児童クラブがなくなってしまっている。それぞれのニーズにあわせて、それぞれの事業を充実させることが必要。
児童館も含めて、しっかりとした制度を作ってほしい。
(意見交換)
奥山委員(子育てひろば全国連絡協議会):三鷹市のきらめきボランティアはどのような人が、何人ぐらいなっているのか?また、コミュニティ・スクールはどのくらいの時間で、参加費等はあるのか?
貝ノ瀬参考人:ボランティアについては様々な人が登録している。保護者だけでなく、地域の中の子育てを終わった人やこれから子育てをする人、企業等も参加していただいて学校を応援いただいている。こども教室は土曜日午前中にイベントをすることが多いが、他の日にも校庭等を活用して事業をしている。金額は無料(実費を伴うものは実費あり)。時間は学童の時間にあわせて実施している。
奥山委員:将来的に学童クラブと放課後子ども供出の連携はありうるだろうが、役割やニーズも異なることから、それぞれを充実させることが必要。
小田切代理(全国知事会):単なる保育サービスの提供という視点だけでなく、放課後の生活や学びをより充実させるといった視点に立った仕組みにすべき。そのためにも、子どものための環境整備の基準を設定することが必要だと考えている。
末松副大臣:全国一律の最低基準は良いということで良いか?
小田切代理:全国一律の最低基準は必要であるが、地方の裁量権の範囲を考慮してほしい。自治体によっては、全国一律の最低基準に達することが困難であるところもあるので、そのような地域において最低基準を満たすことができるような国の支援も必要である。
倉田委員(全国市長会):国の最低基準を定めるのは良いが、実質上、地方の裁量性を広めに設定してほしい。幼保一体化についても、厚労省と文科省の壁を作って考えるのではなく、地方の裁量権でできるところは早く一体化できるようにするべきである。
北条委員(全日私幼):幼保一体給付(仮称)の対象は、放課後児童クラブであるとされているが、放課後児童健全事業が別になるのはおかしいのではないか。それぞれの差があるのもわかるが、そうであるならば就学前の一体化の姿を作りつつあるので、小学校期の小学校、放課後児童健全事業、放課後児童クラブとの関係性の整理もしたうえで行うべきである。放課後児童クラブだけを幼保一体給付(仮称)に入れるのは、将来に禍根を残すのではないか。
黒田室長:法的な位置づけもあわせて連携の姿を作っていきたい。今後の検討課題がたくさんある中で、放課後児童クラブだけを幼保一体給付(仮称)に入れる形で整理をした。
中島委員(連合):学童保育は保育の延長であると思うので、こども指針の中に運営基準も設置するべきではないか。最低基準については、子どもの利用保障の視点ももって、保育との連続性を考慮した基準の設定が必要である。障害児の利用保障の観点から、障害児を受け入れ可能にする最低基準の設定が必要。
放課後児童クラブの指導員の処遇改善および人材確保および定着を図る必要がある。
基準を満たす施設への移行については、5年程度の経過措置を設け、財政支援を行う必要がある。
両角委員(明治学院大学教授):幼保一体化については、幼稚園と保育所が分断されていて、子どもの最善の利益の保障の観点から一体化していくということが必要である。今の提案では利用保障の観点が弱いのではないかと考える。子どもの視点から見たら両親が働いていても良い環境で過ごせることができる権利、保護者から見れば両立支援の権利の視点が弱い。今後、新システムにおけるプライオリティを決めていく必要があると思うが、放課後児童クラブはプライオリティが非常に高いと思う。
渡邊委員(全国町村会):必要な基準を示しながら、市町村にウェイトをかけている事業として、一定の評価はできるのではないかと思う。
何をするにしても財源が課題。いくら立派な制度設計をしても、財源がなければいけない。国が最初は予算付けをしても、地域主権の大義名分の下、結果として一般財源化して、市町村任せになってしまうということになると、放課後児童クラブも市町村が自助努力をしろということになるのではないかた危惧している。
末松副大臣:懸念は真摯に受け止める。
宮島委員(日本テレビ):一体化がゴールの姿として望ましいのだということであれば、将来的に分断されたままにならないようにするべき。私は全児童型でやってきた地域で暮らしているので、自由な利用の仕方ができるという良さもある。放課後児童クラブと放課後子ども教室を当面別に拡充することも大事だが、30年かかったら、それぞれに歴史ができてしまうのではないか。という懸念もある。働いている親の子どもだけを囲ってしまうことは、子どもの人間関係を狭めてしまうので、将来を考えると、一体化の方向も考えるべきではないか。
末松副大臣:全児童の子どもはお金を払っているのか?
貝ノ瀬参考人:お金はかからない。おやつは学童の子どもだけが食べるが、戦後の状況と違って、放課後子ども教室の子どもたちも家に帰ればおやつがあるということはわかっている。
山口委員(日本子ども育成協議会):三鷹市の事例として取り上げていただいた四小は私どもの法人が受託しているところ。施設として共有する手法は、なくなった地域社会を再生することができるという意味もある。地域によってはできないところもあるかもしれないが、できるところは全児童と学童は協働していくことも考えるべき。
菊池委員(全保協):放課後児童クラブについては、量の拡充が急務である。また、指導員の処遇改善等が必要ということも申し上げてきたところ。
ここで言っておきたいのは、事業として単独で事業として成り立つ仕組みにしてほしいということ。私どもは保育所併設型の放課後児童クラブを行っているが、放課後児童クラブを単独で事業として成り立たせることが難しいため、保育所運営と一体的に考えて法人全体として放課後児童クラブ事業を運営するように努力しているのが現状。
また、今日の議題とは離れるが、1月24日の幼保一体化の資料で示された内容については、ぜひ再考を願いたい。とくに3歳で子どもを分断する制度とするべきではない。幼保一体化については、省庁の垣根を乗り越えたところで検討すべきであると考えている。再度、検討をお願いしたい。
無籐委員(白梅学園大学):私は全児童対策と放課後児童クラブは一体的にすべきではないと思っている。連携は望ましいと思うが、一体化は現実的ではない。充実すべき放課後児童クラブをすべての子どもに保障することは現実的には難しい。将来的に多くの子どもたちが、放課後も保育を必要とする社会になっていくということを考えていく必要がある。また、放課後子ども教室は教育の一環として実施しており、放課後児童クラブは保育に欠ける子どもに保育を提供する施設であるということから、むしろ放課後児童クラブを充実させる方向で検討すべきであると思う。
(2)一時預かり等について
黒田室長より資料説明後、協議を行った。
奥山委員:一時預かりについては、就労以外の要件では利用できなかったことが現実としてある。子どもにとって親以外の安心できる大人とのふれあいが必要であり、今まで利用をあきらめざるえない状況にいた人も利用できるようにするべき。
妊産婦検診は、母親の産後ケアにも使えるようにしてほしいという意見があるので、伝えておく。
小田切代理:一時預かりについては、地方が地域の実情に応じたサービス給付として、裁量と創意工夫を持って担うことができる仕組みにすべき。その際、財源は、今後増大すると見込まれるものも含め、地方が安定的に責任もってサービス提供することができるように確保すべきであると考える。
また妊婦健診や特定不妊治療、乳幼児医療費の助成も含めて、国が担う全国一律のサービス給付は、国の責任において所要の財源を措置すべき。
倉田委員:市長会の意見を取り入れていただいたものとして評価している。市町村の責任は非常に重くなるが、ぜひ市町村を信頼していただきたい。一時預かり事業について、先行事例を後押ししていただくようなこともぜひ考えてほしい。
坂崎委員(日本保育協会):エンゼルプランプレリュードから15年かけて一時保育を展開してきた。しかし倉田市長に怒られるかもしれないが、自治体によって、保障されるサービスが異なってくることは、非常に怖い話。やろうという意欲のある自治体と意欲のない自治体があることは、子どもにとって生まれ育った地域で受けられるサービスに差が生じてしまう。一時預かりはとくに3歳未満の子どもたちにきちんと保障していく仕組みにしなければいけない。
幼保一体化については、保育の仕方を分断する仕組みはよくないので、3歳未満の子どもたちの保育の保障の視点からも、分断するのではなく保障をしっかりして、子どもの継続した育ちの保障をするべきである。
田中委員(静岡文化芸術大学准教授):見積額にどうロジックをつけて国が判断していくのかということを懸念している。財源に限りもあるので、どうプライオリティをつけていくのか。
中島委員:妊産婦検診は、産後のケアも含めて位置づける必要がある。さらに恒久的な財源として措置をすることが、市町村の事業展開を図る上で必要である。支援事業については、孤立した子育てをどう支援していけるのかということが必要な視点である。
宮島委員:0〜2歳は非常に重要な時期であると思う。家庭にしても何にしても教育が重要。その中で制度として一体化していくかということだが、幼保一体化のイメージに違いがあるとわかってきた。私自身は6歳までの子どもを時間に違いはありながらも、施設の形で一定時間預かるものがこども園だと思っている。その中で、0〜2歳児についてはしっかりとした受け皿がないと取り残されていくのではないかとく心配がある。0〜2歳の子どもたちのケアをこども園に位置づけないのであれば、充実することが本当に可能なのか。注目されないところに、事業者が新しい施設を作るのかということに懸念がある。親としては0〜5歳のつながった園に行きたいと思うのが普通の判断だと思う。0〜2歳の乳児保育所をこども園と分けてしまうと、保護者は本来望ましい施設であるこども園ではないところに預けるという意識を持ち、不安を感じることになってしまう。
0〜2歳児は親の仕事と子育ての両立で気持も揺れる時期である。3歳になれば子どもも元気だが、0〜2歳は体調も崩しやすく仕事も軌道に乗らない時期。昔は3歳児神話があって、親は1歳から子どもを預けると、夫の家族や周囲から圧力を受けてきた。0〜2歳児を預けていることも世の中として受け止めるからというイメージは大事である。0〜2歳児は教育とは違うということで分断されると不安を招く。実際、0〜2歳児の保護者からは不安の声も届いている。システムとして、しっかり支えるという姿勢を示す必要がある。
幼保一体化のメリットは、一般の方にはわかりづらい。待機児童解消に資することを期待していることがメリットとしてわかりやすいのに、本当に2歳までの受け皿が増えるのか、幼稚園が0〜2歳を預かるインセンティブが本当に働くのか、ということが懸念。一番必要としている0〜2歳の保育をどのように充実していけるのかということが今の整理では見えない。0〜2歳児はみんなが一番不安を抱いているところである。
大日向委員(恵泉女学園大学教授):学童は保育に欠ける子どもに保育を提供する施設だと無藤先生が言われたが、そうすると幼保一体化の理念からかい離するのではないかと思う。一時預かりは、親の働き方に関わらずすべての子どもに保障するもの。親の就労に関わりなく、すべての子どもの発達保障を進める必要がある。
放課後児童給付について、貝ノ瀬教育長は、放課後子ども教室と放課後児童クラブの連携のキーパーソンは学校長だと発言された。学校長によっては放課後児童クラブは関係ないと思っている方もいると聞いている。その意味で考えると、幼保一体化の方向性とも密接にかかわる問題であるので、あわせて考える必要がある。
宮島委員のご発言の、放課後児童クラブと放課後子ども教室を当面別に拡充することも大事だが、30年かかったら、それぞれに歴史ができてしまうという懸念も共感する。
菊池委員、坂崎委員、宮島委員のご意見は承って、24日の幼保一体化WTにつなげて、議論してまいりたい。
両角委員:一時預かりで重視をしなければいけないのは、保育所に入っていない子育て家庭だと思う。
末松副大臣:最後に進めた方に関しての相談だが、広く検討状況を知っていただきたいということで、3月からはインターネットで動画配信していきたい。
次回以降は、決めを行っていきたい。
3歳で子どもの育ちを分断することに反対意見相次ぐ
〜幼保一体化WT第7回会合〜
2月24日に1か月ぶりに幼保一体化WT第7回会合が開催されました。第7回会合のテーマは、「幼保一体給付(仮称)の具体的制度設計について」で、①保育の必要性の認定、②公的幼児教育・保育契約(仮称)、③市町村の関与、④給付の内容について検討が行われました。
保育の必要性の認定については、「保育の必要性の認定を受けた子どもと、受けない子どもの別に定員を設けることに加え、保育の必要性の認定を受けた子どもは認定基準に基づいて「長時間利用」「短時間利用」で認定し、保育の必要性の認定を受けない子どもは抽選や建学の精神等、設置者が認める選考基準に基づき選考する仕組みとして案が作られています。応諾義務については、「正当な理由」がある場合を除き課すとされていますが、その「正当な理由」として「特別な支援を必要とする等の場合について、当該施設に適切な受け入れ体制が整っていない場合」が例示されているなど、運用開始後に、真に保育が必要な子どもや家庭の利用が阻害される可能性が懸念されます。
給付では、公定価格に「質の確保・向上が図られた幼児教育・保育を提供するために必要な水準を維持するために必要な水準」で「人員配置基準や設備環境を基に、人件費、事業費、管理費等に相当する費用を算定する」、「人件費相当分については、職員の配置基準や施設の開所時間を踏まえた価格設定を行う。」この際、「認定時間数に対応する価格設定ではなく、必要な職員の配置を考慮した価格設定を行う」ことが示されています。このことは評価できるものの、一方で、「当分の間、市町村及び社会福祉法人以外の者が設置する施設に限る」として(教材費等の)実費徴収以外に、入園料等の上乗せ徴収を上限額を設けずに認めています。
また、当日の幼保一体化WTでは、第6回(1月24日)に示された「幼保一体化について(案)」に対する批判的な意見が相次ぎました。とくに3歳で子どもの育ちを分断し、0〜2歳の保育所をこども園の外に置いたことに対しては、保育関係者以外からも強い反対意見が表明されました。幼保一体化WTは、こうした意見を踏まえながら引き続き検討が継続されることとなりました。
当日の概要は以下のとおりです。
議事概要 (記録事務局) (敬称略)
(1)幼保一体給付(仮称)の具体的制度設計について
(文科省・濱谷課長 説明)
※「こども園(仮称)」のあり方は、別途資料を準備し、協議していただくことを予定している。
※社会福祉法人等について上乗せ徴収を認めないことについては、「現行の保育所では認められていないため」と説明。
(意見交換)
木幡委員(フジテレビ):1/24の資料を見ると、「こども園という新しいものができるが、従来の幼稚園は残り、かつ0〜2歳の保育所に関しては、これまで通り「保育」であり教育ではない」という大変わかりにくく、中途半端な制度になっていて、到底賛成できない。これでは0〜2歳の保育所を利用している子どもたちが、「教育」の外にはじき飛ばされていて、今まで以上に教育がないという整理になる。乳児保育所を利用する親は「他と位置づけが違うこと」でさらに心を痛めることになる。0〜5歳の子どもに<教育と保育を一体で保障する>という本改革の目的にも反する。また、ここを増やさないと待機児童解消にならないのに、果たしてこの制度で本当に0〜2歳を扱う園が増えるのか?
0〜5歳の発達を連続的にとらえると言いながら、やはり3歳でラインを設け、教育の有無でわけるのはなぜか?ここでいう教育とはどのようなものか?これでは一体化の意味がない。最近は幼稚園でも、プレ幼稚園という位置づけで2歳児を募集している。幼稚園も3歳のラインを崩し始めているではないか。
全体の議論を聞いていると、根底には3歳までは子どもは母親と一緒にいるべきだという「3歳児神話」がまだあるのではないか。個人的には、私は子どもと2人きりでいた時は辛くて育児ノイローゼ気味だった。仕事に復帰したことによって子どもにやさしい母親になれたと思っている。子どもに対する愛情の深さは、一緒にいる時間の長さで計るものではない。働く親と働いていない親を分断するような仕組みはもうやめてほしい。
誰のための制度改正なのかということを考えてほしい。今の案を見てどれだけの人が良い制度だと思うのか?少なくとも国民はそうは思わないだろう。細かい部分を調整し落とし所を見つけるやり方で、大切なものを見失っているように思う。もっと国民目線で考えてほしい。
また、この検討は非常に関心を持たれているが、幼保一体化WTの議事録がまだHP上に1回しかアップされていないので、早めに第2回〜第6回もアップしてほしい。
大日向座長:木幡委員がご指摘いただいた幼保一体化のあり方についてご意見をお願いする。
佐藤委員(全保協):3歳未満児の受け入れを義務付けないというところは撤回して、3歳未満のこどもの受け入れを義務として進めるべきだと思う。幼保一体化の中で、二重行政の解消が目的と説明されたが、示されているものを見ると給付の一体化のみで、ずいぶん後退している。認定の枠組みのところでは、保育認定を受けた子どもと受けない子どもの定員枠を作るとしているが、誰が定員枠を設けるのか。待機児童が多いところは保育を必要とする認定を受けた子どもの定員枠ですべてになってしまうだろうし、子どもの数が減少している地域ではそれぞれの定員枠がかえって複雑にする。
濱谷課長:すべての施設で認定を受けた子どもとそうでない子どもの定員枠を設ける必要はない。地域の実情に応じてそれぞれの定員枠の人数を増やしたり減らしたりすることになる。
佐藤委員(全保協):ニーズ調査は市町村がし、定員枠は個々の施設で設けるということか。
濱谷課長:最終的には個々の施設で定員枠を設けることになる。
菅原委員(全私保連):まずこの議論は今回だけで終わる話ではないので、あと1〜2回は検討をする必要があるということを申し上げる。3歳未満児は保育給付、3歳以上児は幼児教育・保育給付を分けているが、ここが問題だと思っている。3歳未満児のみを受け入れる施設がこども園から除外されることは新たな差別・区別を生じさせる。こども指針とかい離するような検討はすべきではない。幼保の垣根を越えた制度設計が目的だったはず。基本制度案要綱で決めたものを大事にしてほしい。
未満児保育所を利用している保護者も好んで未満児保育所を利用しているわけではない。児童福祉法に書かれている教育は何なのか、という思いを保護者に持たせてしまうし、現場で働いている保育士にも失望感を与えてしまう。学校教育法上も、「幼稚園は幼児を保育し」と書いている。
幼稚園は教育をやっているんだということで、乳児保育所を切り分けられるのでは、将来にわたって禍根を残す。現場で利用している保護者や現場で働いている職員に失望感を与えないような制度設計にするべきである。
普光院委員(保育園を考える親の会):私も保護者には「保育には養護と教育がある」と説明してきた。「幼児教育」「保育」の文言の整理が必要。また、保育に欠ける要件に保護者が障害をもっている場合だけがあるが、子どもに障害がある場合も保育を必要としている状況なので、入れるべきである。応諾義務は、限定的に行うべき。
市町村の関与の絵を見ると、こども園は単なる利用施設になってしまっている感がぬぐえない。現在、優れた社会福祉法人には、地域全体の子どもの福祉を考え、一時保育を実施するにあたっても、そこで子どもや家庭に支援ニーズを見つけて積極的な支援策を講じていくような事業者もいる。今回のこども園構想は、そのようなあり方を事業者に動機づけるものになっているのだろうか。3歳以上か未満か、親が働いているかどうかにかかわらず、地域の子どもの福祉のために事業者が積極的に働き、それが社会に認められ、報いられるような制度にする必要がある。民間事業者が行うにしても、こども園は「私営」ではなく、公的な事業であることを明確に打ち出す必要がある。
新システムといえども湯水のような財源があるわけではないということを考えると、応能負担の廃止は待機児童対策や質の向上にとってマイナスにならないか、慎重な検討が必要。都市部の保育所の利用者は、所得階層分布でM字型になっていると考えられる。現在、東京都の面積基準切り下げの検討に対して、当会には多くの保護者から反対の意見が寄せられているが、その中には保育料を上げても、子どもの環境は守ってほしいという意見もある。保育料が一律になった場合、家庭の所得で子どもを排除しないためには、一律低負担に抑えていただく必要があるが、そうすると「もっと払ってもよい」という層の存在とは裏腹に、全体に保護者負担が薄くなってしまい、待機児童対策や質の向上に悪影響が及ばないか心配している。現在、自治体がとっている保育料軽減策も十分に調査し、公定価格は慎重に設定していただきたい。ちなみに、渋谷区は高額所得者には最も高いが、中間層には23区で最も低い水準にしているが、非常に現実的だと思っている。
今回の事務局案にある「実費徴収以外の上乗せ徴収(入学金・保育料等)を上限なく認める」ことはこども園の理想をゆがめるものである。また、それを「市町村及び社会福祉法人以外の者が設置する施設に限る」とする理由がわからない。上乗せが認められない事業については、より公共性の高いものと位置づけ、財政的な優遇措置を設けるなど、インセンティブがなければ、子どもの福祉が増量するどころか減ってしまうのではないか。
最後に、東京都の保育サービス利用希望者を対象とした施設では、9割の保護者が認可保育所を希望していた。現行保育所制度が就労家庭に支持されていることを踏まえて、こども園の詳細を決めていただきたい。
山縣委員(大阪市立大学教授):新提案では財源は一元化するが、制度三元化、社会二元化(実質上は乳児保育所はそんなに多くないため)になる。幼保一体化を目指したのに、幼稚園とこども園になる二元化の提案で良いのか。当初の目標からはかなり距離感がある。この制度を市町村が管轄するとなると、市町村事務は煩雑になる。幼稚園の管轄を都道府県に残すと、現在の課題である制度による管轄の分断が起こる。
以前の提案で国立大学付属幼稚園は幼稚園のままで維持するとあったが、むしろ教育内容や保育者養成において開発的役割を担うべき国立大学がこども園の実践内容や保育者養成のモデルを作り、先駆的な研究・実践をするのが筋ではないかと思う。
待機児童対策が今回の重点課題の一つにあったが、この提案では、子ども過疎地の対策にはなるが、待機児童対策としては弱い。待機児童は3歳未満児におり、3歳以上はすでに過供給の地域がほとんどである。少子化の中で、保育所利用児童が増え、幼稚園利用児童が減っている理由の一つはこの点にある。待機児童がいる地域の現行幼稚園がこども園となり、かつ3歳未満児への対応を図らなければならない。子どもの発達の可逆的連続性を保障するには、多様な供給体が協力して行わなければならないが、幼稚園が参入する積極的根拠はなくなる。
就労要件で子どもを分けているが、子どもの視点から育ちの支援や集団の保障等を考える必要がある。
中島委員(連合):0〜2歳のことについて意見を述べたい。(保育)事業者や担い手である保育士から、制度改革の方向性がわからないという混乱の声が私のところに寄せられている。イメージを整理して考えないと、このまま行ってしまうのではないかという懸念がある。私たちは子どもの視点から制度を考えようということ、あわせて待機児童解消が、この検討の前提にあったはず。この基本に沿って、具体的な制度設計議論を進めるよう改めて合意形成を図りたい。
同じ年齢であって、給付もサービスも同一なのに、0〜2歳だけ名称が違うのは理解しづらいし、保護者や担い手から見てもわかりにくい。事業者の意思でこども園を選択しない以外は、こども園として対象に含めるべきである。
なお、0〜2歳児のみの施設の名称を切り離した場合、次のようなことが懸念である。
・保護者は3歳時点での転園の必要性がない0〜5歳のフルパッケージの園を希望する場合が多いと想定される。また施設も、教育・保育人材も大規模に流れるのではないか。
・待機児童の多い地域は、フルパッケージ型に希望が集中し、入れない場合や選別された要支援者が0〜2歳児園に集中することが起こらないか。結果として、差別化が起きるのではないか。
・0〜2歳型の園は現在約1,000か所、5%程度と言われているが、待機児童の8割が0〜2歳に集中しており、今後、産休明け、育休明けの受け皿こそ拡大が望まれている。こうした動きが待機児童対策に資するか等、議論が尽くされていない。
佐久間委員(ベネッセ):私もみなさんと同じく0〜2歳のところを保育所として切り分けることには賛成していない。養護と教育の教育と学校教育法上の教育はちがうということは理解するが、保護者から見るとわからないだろう。現場で考えると0〜2歳の子どもの育ちがそれ以降の子どもの育ちに大きな影響を与える。待機児童対策として0〜2歳があるので、ここの受け入れをどうしていくのか?
認可と届出も利用者から見ればわからない。ここも整理が必要ではないか。
秋田委員(東京大学教授):こども園を整理するときに、学校教育法上で位置づけるとすると、学校教育法上は3歳以上を教育としているので、そこで整理せざるをえない。ただ資料にある「幼児教育」という文言はわかりにくい。基本的理解と用語の使い方が必要であり、3歳以上の全員が学校教育法上の教育を受けるのだという理解をもとに、説明すべきではないか。
すべての職員が研修や準備時間を確保できるような配置が提案されたことは意味がある。
法体系でいえば、児童福祉法および学校教育法上の両方に位置づけることをベースに、考えていかなければいけない。
大日向座長:共通した意見として1/24の資料がわかりにくい、これでは幼保一体化とはいえないのではないか、ということであった。0〜2歳の保育所がこども園に入れないのはなぜなのかということの意見もだされ、秋田委員から法制度上の整理が必要ではないかという提案があった。こども園法はこれから作るのであって、こども園法は児童福祉法と学校教育法の上位の法律として位置づけ、0〜5歳の就学前の子どもの育ちを支えるものと認識している。
秋田委員:私は児童福祉法と学校教育法の両方を満たしたものがこども園であると認識していた。
大日向座長:andなのかorなのか、ということではないか。少なくともWTではandで整理するという結論はしていない。
無藤委員:こども指針WTで出ているが、就学前の養護と教育の一体的提供をするところがこども園になるということであり、幼稚園の預かり保育は児童福祉法上の児童福祉ではないだろう。一方、0〜2歳の保育を提供している保育所を学校教育法上の学校と位置付けるのは無理だろうということ。こども指針においては、養護と教育の一体的提供を行う施設をこども園と位置付けることが一致している。
幼稚園がどこまでこども園になるかということだが、預かり保育は現行の幼稚園の8割が実施していて、一部2歳児の受け入れをしているので、多くの幼稚園が実際上はこども園になるのではないか。
大日向座長:教育基本法上で整理ができないないかというご発言があった。
菅原委員:こういう意見があるので、もう1〜2回は検討してくださいというのが私の意見。幼稚園教育要領と保育所保育指針を高める形で、こども指針をつくることになるので、その理念を大事にしてほしい。
こども園法を作って、3歳以上については学校教育法上の適用を受けるという考え方もあるのではないか。大事なのはこども園法と学校教育法上のつながりをどう作っていくのかということ。乳児期の教育も大切であり、こども園法の中で2歳児未満を切り分けないということを大事にしてほしい。
山縣委員:指針WTでは、一つの指針を作ろうと検討している。3つの施設体系があるのに指針が1つというのはわかりづらい。現実的には、すりあわせをするというのが精一杯であると思う。
私は秋田先生の意見とは違い、0〜2歳もこども園に位置づけることが可能と思っている。3〜5歳は家庭からこども園に来て小学校に入っていく。0〜2歳は保育所からこども園に行って、その後小学校に入っていくことになる。一つの法の中で、ここは学校教育法上に位置づけることができないことはあるかもしれないが、そことは別に検討することはできるのではないか。
柏女委員:いろんな背景を持った方がいるので、「幼児教育」という言葉のイメージが違う。そのため議論が混乱している。企画法令等、制度論の担当者中心に事務方が整理しているが、文科省も厚労省も専門官がいるので、そういう方も入れて検討するべき。今後は「幼児教育」という言葉は使わない方が良い。
入谷委員(全日私幼):かつて文科省で「2歳児には教育はない」という整理をした経過から考えると、秋田委員や無藤委員の提案に賛成する。
小田委員(国立特別支援教育総合研究所):言葉の整理が必要だったと思う。こども園法があって、その下に学校教育法、児童福祉法があると大日向先生はお話されたが、私は違うと思う。教育基本法があって学校教育法を規定している。
山口委員(日本子ども育成協議会、JPホールディングス):andで決着したとは私も思っていない。実際上、未満児を外して制度を作ってしまうと、菅原委員や木幡委員が言われたように、未満児保育所では教育をしてくれないという誤解を生み、差別を作ってしまう。ぜひ法律を作る優秀な官僚の方は無理してでも未満児を切り分けることのない法体系を作ってほしい。
大日向座長:私も、座長だが、3歳で切り分ける意味はわからない。制度が新システムの目的に沿ったものになるように考えていただきたい。
村木政策統括官:議論が錯綜していたと思う。整理をすると、一つ目の課題は理想と行程の問題、2つ目は法的な枠組みの問題があった。法律上の整理でいえば、施設体系は3つになる。3つ目の課題は、実際の問題として、(提案された)0〜2歳児の保育所に入ると、その後の行き場をまた探さなければいけないということ。本日、「差別である」というご発言があったが、ユーザーの思いとして受け止めて、全体としてすべての子どもに対して幼児教育・保育を提供する制度を構築するにはどうしたら良いか、考えたい。今後、1回でも2回でも、3回でも検討をしたい。委員の方にもSOSを発して、一緒に検討いただくかもしれないので、お願いする。
大日向座長:法制上の整理もお願いしたい。
渡邊委員(全国町村会、聖籠町長):ぜひこれまでの議論を無視しない方向で整理をしてほしい。基本制度案要綱に基づいて、幼保一体化の目的も認識を一致してきているのだから、その目的にあわせて制度構築をするべきである。0〜2歳の子どもの育ちと3歳以上の子どもを分断するのではなく、もともと垣根をなくして子どもに対して一体化するということが本来目指してきたものであるはず。
契約の問題は、これまでは市町村が利用調整を図ってきたが、現場と保護者の契約になると、市町村の立場では事務は軽減するが、事業者の競争原理が働く一方で、市町村の調整が働かなくなるのではないかという懸念がある。こども園格差が生じる恐れがあるのではないか。
今里課長:市町村の関与が薄まるということは考えていない。法令上、市町村の責務として、子どもの利用保障をすることを明記することを考えている。
金山委員(マミーズネット):保育を必要とする要件に求職中をいれていただいて感謝する。子育て支援をしていると働きたいのに保育所に入れないという声が多い。
障害を持った子どもの利用は状況が今でも良くないので、ここは今後手厚くする必要がある。特別な支援が必要な子どもとは、そのような子ども全般のことと考えても良いのか。障害児と認定されていないけれども、発達上で配慮が必要と感じている子どもが排除されてしまう懸念がある。また、「体制が整っている施設」は誰が判断するのか?
今里課長:特別な支援が必要な子どもは市町村がニーズを把握し調整することになるので、何らかの基準を設定しなければならない。その基準を全国一律で作っていくのか、どう作るのかの議論はこれから。体制が整っている施設は、積極的に受け入れてほしい。
濱中代理(全国市長会、三鷹市):私のイメージでは、乳児型のこども園、幼稚園型のこども園、フルスペックのこども園ができるということを考えていた。
給付については、保育所は市町村ですべて財政状況が把握できるが、幼稚園についてはできず、子どものためにどう公平性を担保していくか苦慮していた。その意味では、今後は給付が一体化することにより、一定の公平性をもつことができる。
また質問だが、「当面の間の整備」の「当面の間」はいつまでか。入所判定基準をどう作るのか。 保育料の取り方についてはどうなるのか?
自治体だけでなく、現場にも十分意見を聞いたうえで、制度構築をしてほしい。
村木政策統括官:自治体にかなり担っていただくことがあるので、この場でなく、市長だけでなく、実務担当者とも話をさせていただきたい。
浜田代理:新システムになった際に、保育に対する潜在化したニーズが一気に出てくることが想定される。そのときに財政的支援等を含めて、対応を図っていただきたい。
柏女委員:後日、障害児支援に対する意見をぜひ言わせてほしい。
大橋委員(全国国公立幼稚園長会):待機児童のこととあわせて、就学前の教育が大事という意見が今まで出てきたと思っている。その意味でも、就学前の教育をすべての子どもに…という視点で検討ができたことを嬉しく思う。
学校教育としての就学前教育を大切にしていきたいし、すべての子どもに就学前教育を提供していきたい。
職員の研修時間の確保が資料に入ったことも良かった。
古渡委員(全国認定こども園協会):現場をもとに、質の高い施設とは何かということを考えていってほしい。たとえば、アレルギーのある子どもを受け入れるのであれば調理施設が必要だと思うので、その整備費用を用意する等も含めて考える必要がある。
中島委員:具体的な制度設計は次回検討させていただけるということなので、次回にさせていただきたい。市町村の現場の実務も含めて、本当に市町村が何をする必要があるのかということを整理する必要がある。財源のみの一本化という声もあったが、公立保育所と障害児保育のところは一般財源化されてしまっているので、そこはどうなるのか整理が必要である。一般財源化されたことによって、地方交付税不交付団体には財源が入っていないが、本当に給付を一体化するのであれば、地方交付税ではなく、きちんと必要なところに届くようにするべきである。
山口委員:障害児の受け入れ体制がないことを理由に受け入れないことも実態であり、一方で体制があることによって公立保育所等に障害のある子どもが集中し、健常児の保育もままならないというのも実態。ぜひ現場の実態を踏まえて、書きぶりを考えてほしい。
菅原委員:幼稚園にぜひ未満児を積極的に受け入れることを考えてほしい。給食室の問題もあるが、整備に水回りがあって建物があればそんなにはかからない。積極的に受け入れていただくよう、この場を借りてお願いする。
大日向座長:迷走しているという発言があったが、迷走して良かった。論点がはっきりしたと思う。①応諾義務、②上乗せ徴収、③市町村の関与、④未満児の保育のあり方の4点を今後、検討を重ねていきたい。
また、用語の整理と法体系上の整理をぜひ事務方にお願いしたい。委員の皆様の思いを丁寧にくみ取って検討をしていただきたい。
議事録があがっていないことについては、いかがか?
村木政策統括官:申し訳ないが、全委員の了解を取ってアップしている。今後は期限を区切って、それまでに返答していただけない場合は、見切り発車させてもらう。
大日向座長:今後はインターネットで動画配信をすることについてご理解いただけるか?
⇒了解された。
◇ワーキングチームの資料については、内閣府ホームページに掲載されています。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/08kosodate/wg/index.html#youho
「幼保一体化について(案)」に対して働きかけを行う
1月24日に開催された第6回幼保一体化WTで示された「幼保一体化について(案)」に対し、①(学校教育法に定める幼児教育の提供を制度の柱にとして)3歳児で子どもを切り分ける制度案としたこと、②建学の精神等により「こども園」(仮称)が利用者の選考をすることを認めること、③運営経費として「幼保一体給付」が確保するとしながら、利用者に上乗せ徴収を認める仕組みとすること等、は大きな課題があることから、全保協は、2月21日に保育三団体(全保協、全国私立保育園連盟、日本保育協会)で協議を行うとともに、2月21日と23日の両日、全保協(小川会長、菊池副会長)と全国私立保育園連盟(黒川会長、菅原常務、木原常務)で関係閣僚および与党議員に働きかけを行いました。
訪問した小宮山副大臣、末松副大臣等、関係閣僚は3歳児で子どもを切り分ける制度設計に課題が残ることを認めつつ、学校教育法上での整理であるとの考え方を示し、学校教育法にとらわれない整理の仕方を事務方に指示するとしました。その一方、末松副大臣からは幼保一体化するためには幼稚園側の理解を得なければいけないという本音が話されましたが、全保協からは、すべての子どもにとって良い環境を保障するとした基本に立ち返った検討を重ねてお願いしました。
<訪問先>
| 2月21日 |
小宮山洋子 厚生労働副大臣 |
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泉健太 民主党子ども・男女共同参画調査会事務局長 |
| 2月23日 |
末松義規 内閣府少子化担当特命担当副大臣 |
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神本みえ子 民主党子ども・男女共同参画調査会会長
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西村智奈美 民主党子ども・男女共同参画調査会副会長 |
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大河原雅子 民主党保育を考える議員連盟事務局長 |
【添付資料】
(1) 全国児童福祉主管課長会議資料