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<ニュースの内容>
■泉政務官が保育所で1日保育体験
■幼保一体化について意見が分かれる
〜子ども・子育て新システム検討会議 作業グループ 第5回会合〜
■地方団体からは幼保一体化、地域主権を求める声
〜子ども・子育て新システム検討会議 作業グループ 第6回会合〜
■私立保育所給食の外部搬入方式の容認 全国実施決定
〜構造改革特別区域推進本部〜
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■泉政務官が保育所で1日保育体験
内閣府の泉健太大臣政務官(少子化対策)が4月12日に京都市伏見区の稲荷保育園を訪問し、1日保育を体験しました。この1日体験は、3月29日に開催された子ども・子育て新システム検討会議作業グループの第3回会合で行われたヒアリングにおいて、御園全国保育士会会長の「ぜひ保育所にきていただき、保育の現場を一日体験して欲しい」という申し出に対し、泉政務官が応える形で実現したもので、当日は小川全保協会長、御園会長も稲荷保育園を訪れ、保育所保育の実態への理解を深めていただきました。
朝7時30分に自転車で稲荷保育園を訪れた泉政務官は、保育室、ホール、調理室などをひととおり見学されました。その後、順次登園してくる子どもたちのホールでの遊びの時間に加わり、8時30分からは3〜5歳児の部屋で保育を体験しました。当日はあいにくの雨で外遊びはできませんでしたが、コーナーごとに設置されているさまざまな遊びの空間で、造形遊びや読み聞かせなどに加わりながら保育を体験しました。また、0歳児〜2歳児の食事の様子を見学し、0歳児が一人ひとりの発達に合わせて時間をかけて食事をしている様子を長い時間見学されました。それぞれの保育の場面で必要に応じて稲荷保育園の主任保育士や小川会長、御園会長などがその保育の内容(養護と教育を一体的に提供する保育の行為など)について説明を行いました。
年齢に応じて保護者との連絡帳などの記入欄が異なっていることの説明を受けると、その違いなどについても熱心に見られていました。また、調理室で栄養士から保育所給食のねらいや工夫点などが説明されると関心を持って聞かれ、地域とのつながりや保護者との連携などについても質問されていました。
その後、保育室に戻り、子どもたちと一緒に給食を摂られた後、園長、主任保育士、栄養士、乳児、幼児担当の保育士、小川会長、御園会長と意見交換を行いました。
泉政務官からは、「保育所等が乳幼児に対して過度に教育を行うような場になってはいけない」「地域との関係においても拠点となるような機能が求められている」「認定こども園は、今の幼稚園と保育所を接着剤で合わせたようなものではなく、それぞれの良いところを活かすことが必要」などの発言がされました。保育士からは「配慮が必要な子どもが増え、きめ細かな保育が必要となっている」「身近で子育てにふれる経験が少ない保護者への支援の必要が高まっている」などの事情があるが、「今の基準では十分な保育士が配置できない」「休憩時間もほとんど取れない」といった実情が伝えられました。
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意見交換後、再び保育室にもどり午睡から覚めた子どもたちの保育を体験された後、16時前に保育園を出られ、東京に戻られました。
約8時間にわたり、実際に保育体験をしていただいたり、保育士や栄養士と意見交換をしていただいたりしたことで、泉政務官にも保育所保育のきめ細かさや保育の意味、保育士等の工夫が伝わったと感じられる一日となりました。また、休憩も十分に取れない保育士の状況、その働きに対し十分といえない処遇の状況などの訴えも受け止めていただくことができたと思われます。
各都道府県・指定都市保育組織においても、地元議員に働きかけ、ぜひ保育所保育への理解を広げる取り組みを進めていただきたく、お願いいたします。
幼保一体化について意見が分かれる
〜子ども・子育て新システム検討会議 作業グループ 第5回会合〜
内閣府は、4月7日(水)に「子ども・子育て新システム検討会議 作業グループ 第5回会合」を開催しました。2部構成の第1部では、3月29日の保育関係団体からのヒアリングを実施した第3回会合に日程等の関係で参加できなかった日本保育協会からのヒアリングを行い、第2部は経済団体からとして、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本労働組合総連合会からヒアリングを行いました。主に幼保一体化についての考え方を各団体からヒアリングしましたが、それぞれの立場により意見が分かれました。
議事内容(記録は事務局)
第一部:日本保育協会からのヒアリング (坂崎隆浩保育問題検討委員会委員長、川合洋子北海道支部長)
1.意見陳述
1)子ども・子育て新システムの構築にあたっての基本的考え方(坂崎委員長)
*新システムの構築にあたっては、国及び地方公共団体の責任の強化による施策の推進が重要。
*現金給付と現物給付のバランスの確保が大切
*待機児童解消のためには、国及び地方公共団体が大幅な財源を投入し、保育所整備を図るべき。
2)幼保一体化について(川合支部長)
*幼稚園及び保育所の両制度を核にしながら、認定こども園制度の改善を含めた制度改革が必要であり、両制度を一律に一元化することは、逆に利用者のニーズに応えられない。
*3歳以上児は幼稚園でという乱暴な議論を聞くこともあるが、保育所では0歳から就学前までの児童を対象に養護と教育を一体とした保育を展開し、小学校教育の架け橋としている。3歳未満は養護で3歳以上は教育ということは、乳幼児期ではありえない。
3)保育制度改革に望むこと(坂崎委員長)
*財源確保が大前提
*保育所は家庭に代わる子どもの生活と学びの場であり、この視点は維持すべき。
*家庭や地域の子育て機能の低下を補完するシステムの必要性
*世界の中で最低レベルの最低基準の引き上げと認可保育所の整備の促進
*保育の質の向上のためには保育士の配置基準と処遇の改善が必要
2.意見交換
泉政務官) 待機児童対策は全国一律の課題ではなく、国も地方も知恵をしぼらなくてはならない。日本保育協会の意見としては、保育所に全員入所できるようにするべきということだと思うが、どこを変えれば整備が進むと思うか?また、そのためにはどのくらいの金額が必要か、試算したことはあるか?
坂崎委員長) 私の記憶が正しければ、少子化対策特別部会において、待機児童数が潜在的ニーズを含めて約100万人いるということ、さらに質の改善は含めないで試算をすると2兆円必要という数字が出ていたと思う。
泉政務官) すべての子どもに保育所保育をというふうに聞こえたが、そのとおりか?保育に欠ける子も、欠けない子もということか?
坂崎) 保育に欠ける子だけでなく、一時保育なども含め、必要としている子どもすべてが何らかの形で保育を利用できるようにすべきと考えている。
小川政務官) 幼保一体化をどう考えるのか?また地域主権については、どのように考えるか?
坂崎) 幼保一体化の前にやるべきことがある。一つは待機児童解消であり、もう一つは認定こども園制度の見直しは少なくともやらなければいけない。また保育制度改革の議論が行われているが、「幼保一体化」というものがどういうものなのか、わからないので、非常に答えにくい。地域主権については、地方財政がひっ迫している中で、実際には公立保育所の一般財源化の結果として公立保育所の民営化がここまで進んでいる状況を見ると、地方に委ねることには課題があるのではないかと思う。
小川政務官) 潜在的なニーズが100万人あるなかで、有力な乳幼児預かり機関として幼稚園があるではないかという仮説を持っているが、認定こども園がなぜここまで進まないのか。
坂崎) 必要とされているのは保育なので、保育所があえて幼保連携型や保育所型の認定こども園にする必要がない。幼稚園型認定こども園については、2歳以上しか受けてきていない幼稚園について、0〜2歳に踏み込むのは非常に難しい。ただし、認定こども園が幼保一体化の議論の前に、制度として整理をしていくことができれば、その活用もあるのではないか。
小川政務官) 認定こども園は有効な手段だと思うか。
坂崎) 有効な手段だと思う。
高井政務官) 保育に欠ける要件は必要だと思うか?この国は子育てサービスがあまりにも貧困であると思っており、保育所でも幼稚園でも良いとは思うが、子どもの育つ環境を整える必要があると思っている。
坂崎) 日本保育協会が調査したなかで、文言として「保育に欠ける」を変更しても良いのではないかという回答は3割だった。ただし要件を外すのではなく、「保育に欠ける」にプラスをしていく必要があるのではないかという回答が多かった。
U.経済団体からのヒアリング
1.意見陳述
(1)日本経済団体連合会(高尾剛正少子化対策委員会企画部会長)
*少子化対策は将来の国民の生活と社会基盤の維持に直結する最重要課題であり、重点的に取り組むべき。
*緊急に対応すべきは待機児童の解消
@「子育て会議(仮称)」の設置
- 子育て支援関連予算の規模・使途の「見える化」を図る
- 主要関係閣僚、労使団体、地方自治体、保育利用者等が参画
- 重点施策や予算編成の基本方針を策定するとともに、執行状況を確認
少子化対策特別部会で提案された子育て基金等、財源を一元化することは中央集権的になる懸念があるので、反対の立場を明示
A教育と保育の一体的推進
- 幼稚園・保育所それぞれの基盤の上に、保育・教育機能を付加
- 認定こども園の設置拡大に向け、手続きや運営費補助など、普及の阻害要因を解消
B保育分野の参入規制の見直し
- 多様で柔軟な保育サービスの拡充に向け、株式会社やNPOの参入を促進
- 保育所等の開設にかかわる初期投資の負担軽減(施設整備費補助を株式会社やNPOにも!)
- 社会福祉法人会計による財務諸表の作成・報告等の規制を撤廃
C保育の担い手の確保
- 保育士資格制度の見直し(認可外保育施設などでの勤務実績の考慮)
- 有資格者の掘り起こし
(2)日本商工会議所(田中常雄東京商工会議所少子高齢化問題委員会副委員長)
*少子化対策予算の増額が必要
*切れ目のないサービスの実現が必要
待機児童の解消には既存の幼稚園の利用、幼稚園教諭の活用が有効 =幼保一体化を進めるべき
*すべての子育て世帯が保育サービスを受けられるように「保育に欠ける」要件を廃止すべき
*多様な保育サービスへの支援の実施が必要。
*きめ細かいサービス実現のためには、権限移譲が必要
@地域の実情に応じて子育て世帯のニーズが解決できるように、地方自治体への権限移譲
A新規事業者の参入や既存事業者のサービス拡充を妨げないように、認可の客観化や規制緩和をあわせて実施
*事業主負担には課題が多い(給付と負担の対応がとれていない、給付に関する考え方が不明瞭、事業主との協議の場がない、すでに高率の法人税を負担など) =これ以上の事業主負担を求めるべきではない。
(3)日本労働組合総連合会(中島圭子総合政策局長)
1)基本的な考え方
*政権交代によって、日本の子ども・子育て施策が変わる!というメッセージを国民に送ることができた。子ども・子育て支援策の拡充が社会的課題。
*共働きが一般的になり、仕事と生活を両立できる仕組みや環境がなければ、子どもを産み育てることは困難な社会になっている。両立支援策としての現物サービスが充実しないと少子化は改善しない。
*子ども・子育て政策の総合化と財源の統合化が必要。
2)幼保一体化について
*当面は認定こども園にかかわる評価をベースに、認定こども園、とりわけ幼保連携型の普及・環境の整備が現実的ではないか。
*将来的には、「子ども家庭省(仮称)」を展望する。
*現在の子ども・子育て関連の財源は、施策ごとに財源が異なり、切れ目のないサービスが提供できていない。安定財源の確保と財源の統合により、子ども・子育て政策を統合化・体系化する必要がある(連合の「子育て基金(仮称)」構想)
3)費用負担について
*国と地方の役割分担について
○現物給付については、市町村がサービスの供給を行うべきだが、子どもの育ちの権利と最善の利益のためには、国が果たすべき役割が大きい。
○国によるナショナルミニマムとこれを裏打ちする財源、末端まで確実に子ども・子育てに財源が回る仕組みが必要。
○「例外のない子どもへのサービス保障」のためには、権利性の確立だけでなく、こうした基盤整備が前提。
*一般財源化については、子ども・子育てにかかる財源が地域における子ども・子育て施策に使われているかが不透明であり、地域においては子育て世代は「少数者」であり、情報の非対称性もあり、子ども・子育てへの戦略的な財源配分は困難である。また、公立保育所運営費等の一般財源化の影響を検証すべき。
*子ども手当については、現物給付と現金給付のバランスが必要であり、基盤整備を優先すべき。
4)切れ目のないサービスの保障
*放課後児童クラブについては、事業の位置づけ・基準を検討し、早急に制度化するべき。子どもの安全の確保、および指導員の待遇改善と人材確保のために、必要な手当をすべき。
2.意見交換
高井政務官) 経団連は幼稚園、保育所のうえに認定こども園と書かれていて、商工会議所は幼保一体化を進めるべきと書かれているが、どうしてそう考えているのか?
高尾(経団連) 幼稚園には教育機能、保育所には保育機能を拡充した上で、一体化を進めるのではないかと考えている。財源の問題もはっきりしていないなかで、一体化、一体化と言われても、何のために幼保一体化をするのかがわからない。現実に認定こども園という制度があるのだから、そこを進めるというのが現実的ではないかということ。
田中(商工会議所) 商工会議所として考えていることは、なるべく障壁をなくすということ。待機児童がいるなかで、一方では幼稚園の定員割れが発生していて、なかなか幼稚園の認定こども園の参入が進まないなかでは、幼保一体化をはかることが具体的な対応ではないか。
泉政務官) 有資格者が多いにも関わらず、現場に有資格者が戻ってこない理由は何か?
田中(商工会議所) 現場を知らないので、詳しくはないが、現在は両方の資格を取らなければいけない。重複する部分は良いとかできれば良いのではないか。
泉政務官) 待機児童対策のために、地域主権をはかることにはどのように考えるか。
高尾(経団連) 地域差というのはあるので、全国一律に規制をかけるというのは無理があるのではないか。
泉政務官) 働き方が多様化しているということは事実だが、子どもにとって長時間預けられる、休日預けられることを広げていくことは本当に良いのかという議論もこれまではあったが、どのように考えるか?
田中(商工会議所) 子どもを育てるかということと、親が働くということは相反する部分もあるが、地域でニーズに応じて必要なサービスを利用できるように整備することを地方に任せる必要があると思う。
泉政務官) 経団連は基金に反対しているが、連合としてはどのように考えているか?
中島(連合) 連合としては、基金という形にこだわるものではないが、子育てに関する財源を入口から出口まで整理をして見えるようにしていくことが必要。
高尾(経団連) 財源を一元化してしまおうということは、結果として中央集権的になる恐れがある。
高井政務官) 女性が仕事を辞めることは大きな損失という意見だったが、人によっては夜までに保育を必要としていることも事実。長時間保育・教育を子どもにすることにも問題があるという意見もあるとは思う。どのように考えるか?
中島(連合) 経済的に自立して、自分のライフスタイルを自分で選択することができるということは必要であり、そのためにも働きながら子どもを育てることのできる社会の構築が必要。日本の場合は、均衡待遇がなされていないので、一旦、女性が仕事を辞めてその後、働く場合には賃金が大きく下がってしまうということもあり、女性が継続して就労できるようにするために、両立支援策を整備することが必要である。
高尾(経団連) 女性が仕事を辞めてしまうということは会社にとっても大きな損失。配偶者の転勤や子育て等の理由で仕事を離れる女性に対し、その事由がなくなった後の再雇用制度等も企業によっては整備している。
田中(商工会議所) 中小企業はM字型カーブの再雇用の受け皿となってきているのも事実。子どもを預けっぱなしで良いのかということはそのとおりであって、預ける方が悪いということではなく、子どもを安心して預けることのできるような制度が必要。
泉政務官) 事業所内保育所が増えてきているが、どのような課題があるか?
田中(商工会議所) ローカルな地域では事業所内保育所はやりやすい。これは単純に通勤の問題であり、都市部ではラッシュの中で子どもを連れてこられるかということが課題であり、フレックスを利用する等の取り組みが必要。要望として言えば、初期投資や保育所運営に係る経費がほとんどないので、そこが必要だと思う。
地方団体からは幼保一体化、地域主権を求める声 〜子ども・子育て新システム検討会議 作業グループ 第6回会合〜
内閣府は、4月15日(木)に「子ども・子育て新システム検討会議 作業グループ 第6回会合」を開催しました。2部構成の第1部では、北海道大学の宮本太郎教授から比較政治の視点でのヒアリングを行い、第2部は全国知事会、全国市長会、全国町村会からヒアリングを行いました。地方団体からは、認定こども園や幼保一体化の推進、地域主権としての地方への権限委譲を求める声が表明されました。
議事内容(敬称略、記録は事務局)
1. 第1部:団体等からのヒアリング
(1)宮本太郎 (北海道大学教授)
「比較の視点からみた子ども・子育て支援システム」について
・家族政策の国際比較では、スウェーデンは両性支援型、アメリカは市場志向型、ドイツは一般家族支援型、日本は男性雇用志向型で子ども・子育て支援が私的な問題として扱われる傾向が強い。子ども手当ては、保育サービス、就労支援サービスと一体として提供されなければ、家庭を単位とした現金給付と雇用保障政策への関与が弱い、一般家族支援型に近づいていく。
・両性支援型のスウェーデンは、社会的な投資戦略、高齢世代を支援、貧困を背景とする低学力層の蓄積の回避等を理由に、1996年に幼保一体化、保育を教育庁の所管とし、教育法でその枠組みを定めた。実施は地方自治体が中心となっている。
・就学前教育の実施機関は民間(両親組合、企業、従業員組合等)が15%実施、親のニーズに応える保育など民間としての特色を出している。運営にかかる経費の8割は公費でイコールフィッティングである。
2. 意見交換
泉政務官) スウェーデンの高負担に対する国民の理解の前提となるものは何か、また、日本に導入した場合の留意点は何か。
宮本) 高負担は1960年代以降に発展、中間層の納税者の納得するようなサービス。たとえば所得比例型の現金給付として育児休業による所得減少への保障や保育料の上限設定など中間層に理解しやすい仕組みにした。 日本では、自治体の雇用を中心とした労働市場に教育や保育をビルトインしていくといった発想の転換が必要。
高井政務官) 現金給付と現物給付のバランスについてどうか
宮本)現金給付は従前の所得に比例させる。また、子ども手当てのように一律に給付するものも、就労につなげていくといった発想が必要である。日本は公共サービスは医療重視、現金給付は年金中心であり、現役世代への支援についてトータルなシステムの設計が問われている。
3.第2部:団体等からのヒアリング
(1)野呂昭彦(全国知事会、子どもプロジェクトチームリーダー・次世代育成支援対策特別委員会委員長/三重県知事)
・認定こども園は、平成18年に制度化され2,000か所設置の予定であったが、平成21年4月現在で358か所に留まっている。一方、アンケート調査では保護者の8割、認定こども園を実施している施設の9割が評価、さらに保護者の9割が制度の推進を希望しているという結果が出ている。少子化の進行や女性の就労の増大、地域や家庭の変容等に柔軟に対応していくために、認定こども園制度を積極的に進めていく必要がある。
・幼保一体化の検討にあたっては次の3つの視点が必要
- @国際社会での競争力や経済力は教育によりその能力を高めるなど、日本の将来を見すえた教育のあり方、
- A低年齢児から放課後児童対策まで切れ目のない支援
- B経済効率ではなく子どもの立場にたった中長期的な視点からの制度設計
・文部科学省、厚生労働省に分かれている子ども関連施策は、総合的一元的に行う「子ども家庭省」のような省庁の統合を図ってほしい。
・子ども手当ては、平成22年度限りの暫定措置、地方主権の理念からも地域のことは地域の実態に応じて創意工夫で行うことが必要。子ども手当てのような全国一律の現金給付は国で行い、現物給付は地方が行うという総合的な展開をすることが子ども政策の充実に繋がる。
・子ども手当ての満額支給には、3兆円の財源が必要となる。この手当ては未来への投資であるが未来への付回しとならないよう国の責任をもって確保するべき
(2)倉田薫(全国市長会副会長・社会文教委員長/大阪府池田市長)
・池田市は、大阪府のベッドタウン、人口104,000人、就学前児童5,360人、保育園は公立が6か所、私立が8か所(その内、学校法人が3か所)。認定こども園は認定を受けるメリットがないため、市独自で幼保一体型施設を実施している。
・幼保一体化における運営は地域の実情に応じた裁量権、質の保障は保育所関係者から危惧する声も聴かれるが、先端自治体と保育所運営の法人との信頼関係を築くことが必要で、それが待機児童の解消にもつながる。許認可権限についても移譲を望む。
・倉敷市では、特区の事業として幼稚園で2歳児から受けいれているが、全国的に幼稚園の対象年齢を2歳児に広げると、待機児童の解消につながるのではないか。
・子ども手当てについては、受給権の保障から保育料未納分との相殺が現行で無理とのことであるが、平成23年度以降の制度設計での配慮を望む。単に文部科学省と厚生労働省を一体化するのではなく、就学前児童を対象として医療等も含めた一元化の視点での検討も必要。
(3)斎藤正寧(全国町村会行政部会副部会長/秋田県井川町長)
・井川町では、全国初の認定こども園である、こどもセンターにおいて幼保一体教育(チーム保育)を実施。制度や財源の関係から同じ敷地内に別棟で建設し廊下でつないでいる。
・保育所と幼稚園は定員、対象時間、保育時間等違いはあるが、4、5歳児以上はどちらを利用するかは保護者が選択することになっている。
・待機児童解消や少子化への対応、地域の実情に応じた保育、教育があってよい。しかし、私立保育園運営費の一般財源化の動きがあったが、財政的裏づけがないまま基礎自治体に求められても、質の担保等には無理がある。
4. 意見交換
泉政府官) 「子ども家庭省」といった考えに基本的には賛成であると受けとめた。地方に委ねた場合は都道府県と市町村の関係はどうあるべきと考えるか。
野呂(全国知事会) 知事会では、国と地方、都道府県と市町村の役割分担はどうあるべきかについて検討する会を持っている。子ども政策だけではなく、産業政策、雇用政策、福祉・教育・環境等生活保障、きずななどこれからの社会のありようをイメージできるものを提示していくことが必要。幼保の問題については、住民に近い保育サービス、幼児教育であり第一義的には基礎自治体が前面に立って行うべきと考えるが、その場合の都道府県の役割は広域的な連携、水準を担保するための連携とするのか、十分な議論が必要。
倉田(全国市長会) 保育、幼児教育にかかる政策だけをみると、都道府県はいらないと考える市長は多いと思われる。
斎藤(全国町村会) 町村は工夫してやっているので、地域に任せてほしい。
泉政務官) 幼稚園で2歳児から受け入れることについて文部科学省は、また、子ども手当てに関する受給権と保育料未納との相殺について厚生労働省はどのように考えているのか
徳久審議官) 倉敷市は特区事業で実験的行ってきたが、幼稚園における教育は集団教育であり、馴染む年齢は3歳からとしている。ただし、預かり保育を実施している幼稚園は現在8割程度になるが3歳以上に限らずその下の年齢を対象とすることはある。
香取審議官) 市町村において、保育料や給食費等未納分を子ども手当てと相殺することは法制度的には難しいが、子どものために給付された現金は子どものために使われるよう来年度の法改正とあわせ総合的な検討が必要。
高井政務官) 2歳児以下の教育、保育を幼稚園で行えば都市部に多い待機児童問題は解消する。それを促せるような財政支援が必要であると思う。
倉田(全国市長会) 現実には0〜2歳児の預かり保育を幼稚園で行うことは難しい。0、1歳児は年間250万程度の経費がかかるのでインセンティブは働きにくいが、2歳児については地域に実情に応じて許認可権を持った市町村が判断し、地域の工夫によって行うことは可能であり、待機児童も吸収される。
野呂(全国知事会) 基本的にはそう思う。子ども手当ては来年は満額支給になる。このような家族関係費は国際的には低いので子ども手当の給付は評価できるが、これは国で負担するもの。一方で現物給付は基礎自治体として保育など必要な事業に当てられるようバランスに配慮。2歳児以下の幼稚園での受け入れについては、大人の都合で分けるのではなく子どもの視点で考えるべき。
斎藤(全国町村会) 異年齢児保育、自宅に帰る時間に差があっても子どもは問題にしていない。発達段階に応じた保育など現場ではいろいろな交流ができる。
小川政務官) 保育の基準や予算など、自治体に任せると低下してしまうのではないかという不安が保育関係者から聞かれるが。
野呂(全国知事会) 現実に財政は厳しい。長期間にわたり必要なお金を税として徴収してこなかった問題はあるが、各自治体においても財政構造の建て直しは必要。自治体にとっても子どもに関する施策の優先度は高く、国として財源構造を整理したうえで必要な財源は担保されたい。
倉田(全国市長会) 池田市にかぎらず、選挙で信任され政策の実現を行ってきている。保育に関しても必要な手当てをしてきている。
齋藤 (全国町村会) 削減できることはすでに行っており、これ以上の予算は削れない。また本町では少子化傾向にあり、実質的には面積基準等これまでよりひろくなっている。
泉政務官) 子ども関係基金についてどう考えるか
斎藤(全国町村会) 小規模な町村では十分な財源の確保は難しい。
野呂(全国知事会) 年金、医療保険制度を見ても改定が繰り返され、国民皆保険皆年金といっても制度に対する信頼性は低い。そのような意味からもフランスの家族手当金庫のような制度を作っても信頼がもてない。消費税など税方式も含め安定した財源を担保する制度のあり方の検討が必要。
詳しくは、次のホームページをご覧ください。
⇒内閣府>少子化社会対策>「子ども・子育て新システム検討会議」について
⇒ http://www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/08kosodate/index.html
私立保育所給食の外部搬入方式の容認 全国実施決定 〜構造改革特別区域推進本部〜
構造改革特別区域推進本部(本部長:鳩山由紀夫内閣総理大臣)は、3月25日(木)に「構造改革特別区域の第16次提案等に対する政府の対応方針」を決定しましたが、このなかで「私立保育所における給食の外部搬入方式の容認」の全国実施も決定されました。決定内容は、「3歳以上児に対する給食については、特区における特例措置の内容・要件のとおり、全国において実施」で、「平成22年度早期実施」としています。
全国での実施は、省令である児童福祉施設最低基準の改正手続き以降となるため、6月頃と考えられます。
全国保育協議会と全国保育士会では、すでに1月27日に小川益丸全保協会長、御園愛子全国保育士会会長が、構造改革特別区域推進本部評価・調査委員会委員長および福島みずほ内閣府特命大臣(少子化担当)に対し、意見書を提出し、外部搬入に反対する意見表明を行っていますが、今後の省令改正の手続きにおいて実施されるパブリックコメントに対しても再度、意見提出をする予定です。
各都道府県保育組織におかれましても、子どもの育ちを守る視点から、ぜひパブリックコメントに対し、意見を表明していただきますようお願いいたします。
また省令改正後は、全国的に給食の外部搬入方式の導入は公立保育所においては市町村行政に、私立保育所については各保育所に判断が委ねられることとなります。各地方組織や保育所におかれましては、子どもの育ちを守る視点で組織一体となって、行政等に対し自園調理の堅持を訴えていただくようお願いいたします。
詳しくは、次のホームページをご覧ください。
⇒首相官邸>会議等一覧>構造改革特別区域推進本部
⇒ http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/100325/taiouhoushin16.pdf
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