全国保育士会の動き
☆第42回全国保育士会研究大会を開催
第42回全国保育士会研究大会が、11月17・18日の2日間にわたり、東京都にて1,012名の参加により開催され、研究発表、協議が行われました。大会内容は、別途『保育士会だより』でご報告いたします。
☆「第18号全国保育士会研究紀要2008」の頒布について
第42回全国保育士研究大会で発表された実践研究を掲載した「研究紀要」の頒布を行っています。頒布促進
にご協力をお願いします。
【定価】1,550円(税込・送料別)
※各組織より所定の申込用紙にてご注文いただいた場合には、定価の2割引1,240円(税込・送料別)にて販売いたします。また、まとめて20冊以上ご注文いただいた場合には、送料は無料です。
【申込先】筒井書房(03-3993-5545/FAX03-3993-7177) |
-------------------------------------------------------------------------------
<ニュースの内容>
■ 平成21年度概算要求 示される
■ 待機児童数、5年ぶりに増加
■ 保育現場が抱えている課題を直視した制度体系を要望(全保協)
■ 幼稚園児数さらに減少
■ 教員免許更新制について
■ 育児休業取得率、女性89.7% 男性1.56%に上昇
■ 「食育推進基本計画」現状値を公表
-------------------------------------------------------------------------------
改正児童福祉法が成立
通常国会で審議未了・廃案となった児童福祉法等の一部を改正する法律案は、同じ内容のまま、11月14日の衆議院本会議で採決、11月26日の参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。参議院厚生労働委員会では、各会派共同提案による附帯決議が提案され、参議院本会議において原案どおり附帯決議が付されました。主な内容は、子育て支援に関する事業の制度上の位置付けの明確化、虐待を受けた子ども等に対する家庭的環境における養護の充実など。
また、次世代育成支援対策推進法も改正され、従業員301人以上の企業に義務づけられていた子育て支援の行動計画策定が従業員101人以上の企業が対象となりました。
附帯決議
政府は本法の施行にあたり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一.社会的養護を担う人材の確保と、その質の強化を図ること。
二.児童養護施設等で生活する児童のプライバシーが十分に確保できるよう、施設整備の要件について検討すること。
右、決議する。
主な改正内容(子育て支援関連)
【児童福祉法の一部改正】
(1)子育て支援事業を法律上位置付け(平成21年4月施行)
○以下の事業について、法律上位置付ける、省令で必要な基準等を設け、都道府県知事への届出・指導監督等にかからしめることとする。【第6条の2④〜⑦、第34条の9〜13】
①乳児家庭全戸訪問事業(いわゆるこんにちは赤ちゃん事業)
②養育支援訪問事業(現在の育児支援家庭訪問事業)
③地域子育て支援拠点事業(地域子育て支援センター事業の再編)
④一時預かり事業
○また、市町村は、これから①〜④の事業が着実に実施されるよう必要な措置の実施に努めるものとする。
【第21条の9】
※上記の改正に併せて社会福祉法を改正し、上記事業及び小規模住居型児童養育事業について、第2種社会福祉事業とすることにより、必要な社会福祉法の事業開始・指導監督規定や、消費税等の非課税措置の対象とする。
(2)家庭的保育事業を法律上位置付け(平成22年4月施行)
○保育に欠ける乳幼児を家庭的保育者(市町村長が行う研修を修了した保育士その他省令で定める者であって、これらの乳幼児の保育を行う者として市町村長が適当と認めるもの)の居宅等において保育する事業について、法律上に位置づけとともに、省令で必要な基準等を設ける。【第6条の2⑨】
○市町村の保育の実施責任に関する規定に、保育所における保育を補完するものとして家庭的保育事業を位置付ける。【第24条
第1項】
○市町村は、事前に都道府県知事に届け出て家庭的保育事業を行うことができるものとし、都道府県による指導監督等にかからしめることとする。【第34条の14〜17】
【次世代育成支援対策推進法の一部改正(一般事業主による取組の促進)】
(1)一般事業主行動計画の策定・届出義務の対象拡大(平成23年4月施行)
○中小企業のうち一定規模以上(100人超)の事業主について、行動計画を策定・届け出なければならないものとする(一般事業主行動計画の策定・届出の義務づけの対象範囲を従業員301人以上の企業から従業員101人以上の企業に拡大)。
(2)一般事業主行動計画の公表・周知(平成21年4月施行)
○行動計画の策定・届出義務のある事業主について、行動計画の公表及び従業員への周知を義務づけるととも
に、行動計画の策定・届出が努力義務の事業主についても、同様の努力義務を設ける。
詳しくは次のホームページをご覧ください。
⇒厚生労働省>国会提出法案>第170回国会(臨時会)提出法案
⇒http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/170.html
次世代育成支援対策推進法改正
⇒http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=133797
「次世代育成支援の新たな枠組みの構築に向けた要望書」を提出
全国保育協議会・全国保育士会では、11月13日に全保協正副会長会議・常任協議員会において、社会保障審議会・少子化対策特別部会で検討中の「次世代育成支援の新たな枠組みの構築」に向けて下記の要望書を取りまとめました。同日、正副会長・常任協議員(全国保育士会は、上村副会長)が厚生労働省、国会議員を訪問し、市場原理の導入(直接契約、直接補助方式等)、児童福祉施設最低基準の引き下げおよび地方自治体への委譲、准保育士等の導入に反対表明しました。
平成20年11月13日
(宛先:国会議員および厚生労働省関係者あて)
社会福祉法人 全国社会福祉協議会
全国保育協議会
会長 小川益丸
全国保育士会
会長 御園愛子
次世代育成支援の新たな枠組みの構築に向けた要望書
社会保障審議会・少子化対策特別部会において、次世代育成支援の新たな枠組みの構築に向けて、議論が重ねられています。本会全国保育協議会(全国の認可保育所の9割以上が加盟している団体)、全国保育士会(会員18万を超える保育士の全国組織)では、次世代育成支援の新たな枠組みを検討するにあたり、次のことを要望いたします。
1.すべての子どもの健やかな育ちと最善の利益を保障するとの理念のもと、少子化・次世代育成支援の新たな制度構築のため、GDP比0.75%と少ない家族政策関連の財源を大幅に確保することを強く要望します。
2.規制改革会議や地方分権推進委員会における認可保育制度への市場原理の導入(直接契約、直接補助方式等)や保育所の最低基準の地方公共団体への委譲等には断固反対します。
3.現行の国の児童福祉施設最低基準はあくまでも「最低」で、引き下げることは容認できません。逆に質の向上のためには、最低基準の改善向上が必要です。
4.規制改革会議等で議論の准保育士等の導入については、反対いたします。
次世代育成支援のための新たな制度設計に向けた検討進む
〜保育事業者検討会④、社保審・少子化対策部会⑱〜
保育事業者検討会
【第4回:11月17日開催】これまでの検討内容に保育事業者が意見を表明
これまでの議論を踏まえて、保育三団体(全保協、全国私立保育園連盟、日本保育協会)および株式会社の保育事業者(ベネッセ、JPホールディングス)の委員が、次世代育成支援のための新たな制度体系について意見を述べました(事業者提出資料は添付資料のとおり)。
少子化対策特別部会
【第18回:11月21】保育サービス全体について検討
11月17日に開催された第4回保育事業者検討会の協議内容と保育三団体(全保協、全国私立保育園連盟、日本保育協会)およびベネッセが提出した資料について報告された後、これまでの議論と保育サービス全体について協議を行いました。
*別添資料「これまでの議論の項目と保育サービス全体について」
第4回次世代育成支援のための新たな制度設計に関する保育事業者検討会における委員提出資料
■部会の概要と主な意見
委員出席状況を事務局より説明
1.資料1P.3、4について
小学校に入る前の子どもがいる保護者に一定以上の仕事をさせてはいけないという規定があり、労使間の調整等により、各企業で工夫をしている。実感として、働き方によって延長保育等の利用負担が変わるというのは納得できない。企業等、雇用者にも一定の負担をさせることも考える必要がある。財政的な負担を求めるだけではなく、働き方の見直し(ノー残業デーの徹底等)の取組をしている企業には優遇するなどの取組が必要。
・働き方が多様になっているなかで、早番、遅番で8時間の保育利用にもかかわらず定型保育の枠に入りきらない場合には延長保育料等が必要になるという不公平をどうにかしなければいけない。
・夜間保育については従来の保育所型でやるものと、保育所外の提供サービスを考える必要がある。今のように20名定員を夜間保育で集めようとすると、小さい市町村ではそんなにニーズがないということになってしまう。
・保育所外のサービスとしてファミリーサポートで病児保育や延長保育にも対応している。保育所以外のサービスのあり方については確かに検討する必要がある。延長保育のニーズが少ない園については、子どもの集約をすることも実際行っている。ただしその際にも子どもを本位に考えることが必要。実態として行っている際には、そのことをどう評価するのかということも考えなければいけない。夜間や休日保育のあり方には子どもの視点をもとに考えることが大切。
・病児・病後児保育については、事務局に質問だが「実績を評価しつつ補助を今までしていなかったのか?」
→(事務局)利用が多い場合も少ない場合も同じ金額を補助することになっているので、実績を評価した方がよいのではないか、ということ。
→実績を評価することは当然。利用者側も事業者側も利用しやすい仕組みを検討することが必要。
・多角的な話をしたが、それがよいかどうかは評価が必要。三鷹市では公立保育所に朝は子どもを預け、三鷹駅前保育所(ここも公立だが朝とは別の保育所)が22時までやっているので、そこにベビーシッターがタクシーに同乗して子どもを移動させ、保護者は朝とは違う保育所に子どもを迎えに行く、ということをしている。確かに延長・夜間のニーズに対応してきてはいるが、子どもの視点に立つと、これでよいのかという思い、働き方の見直しも必要ではないかという思いもある。少子化対策として考えるのであれば、そのこともあわせて考えることが必要。
→確認したいが、タクシー代、ベビーシッター代はどうなっているのか?
→保護者からはタクシー代として500円を徴収。差額は市が負担。ベビーシッター代も市が負担している。ただし延長保育料として1,500円を徴収。
2.参考資料3〜6(*資料3,4,6は、厚生労働省HPをご覧ください)
※事務局より資料説明。参考資料6は椋野委員発言を中心に説明。その後、参考資料5を丁寧に説明。
(今までの議論の中で言いつくせなかったことを中心に意見表明)
三重県ではこの4月から「こども局」を置くことにした。教育については教育委員会に残したが、それ以外はこども局に所管を集約。子どもの育ちにとっては子どもの権利条約が理念としては非常によいと思っており、その理念にもとづき子どもの育ちをトータルに考えていきたい。子どもの考えを徹底して聞こうということで「子ども会議」を開催している。
また、全国知事会の次世代育成に関わる会議の委員長にもなっている。欧米と比べて日本の子どもに対する予算は非常に少ない。そのことが子どもにかかる整備のさまざまな遅れになっている。病児・病後児保育、医療費の無償化等についても自治体の財政力の違いにより格差が生じている。保育所についても公立保育所の一般財源化により、運営費にかなり圧縮がかかっており、格差がある。自治体の予算が厳しいなか、実際は新たなニーズへの対応ができないし、既存の予算自体も見直さざるを得ない。すべての子どもに保育を保障することが重要だと思うが、そのなかで国と地方自治体の役割を見直す必要がある。その具体的対応としては、やはり財政確保が大切であり、財源確保がきちんとないと今回の議論が空論で終わってしまうのではないか、と懸念している。
これまでの議論の中では、保育所を中心に議論展開がされすぎている気がする。子どもが主役であるということをきちんと押さえたうえで議論がされるべき。もう少し広い視野で議論がされるべきではないか。抜本的な議論をするのであれば、厚労省の審議会で少子化対策の議論をすることは望ましくない。縦割り行政の壁を乗り越えたうえでの議論が必要である。
保育所部会であると割り切ったうえで、意見を述べると、保育所は若い保護者にとっては地域のなかに入っていく資源である、保育所は地域の拠点であると言える。都市部と地方部では前提条件がかなり違う。その違いをもとに検討が必要だろう。地域性を考慮した制度設計をしてほしい。保育所の面積基準も地域の実情が反映できるよう、基準設定を市町村に委ねるべきである。その際には、子どもの視点に立ったうえで、基準の低下を招かないように事業者の理解を得るべきであろう。必要性の判断基準を考える際には主役である子どもの視点が入っていないと思う。子どもの視点が考慮されるべきである。
契約制度については、基本認識に立ち返り、包括的・普遍的サービスを受ける利用者の視点にたって、議論をするべきである。認可の仕組みについては、都道府県に大きな裁量権があるということだったが、社会福祉法人等から意見書が出されるし、当該市町村の意思を無視して決めることは三重県ではない。
・保育所部会ではないかという印象を受けたということだが、本部会では重点戦略において2つの検討課題が提供されたことに基づいて、①働き方の見直し、②地域の子育て支援と保育サービスのあり方について検討することになっている。今言われたことのうち、直接契約については今まで検討していないことを念のために申し上げる。ご指摘いただいた財源確保がなければ少子化対策がはかれないということはそのとおりであり、どのように財源確保をしていくのかご意見を伺いたい。
・地域といっても都市部や限界集落、過疎地等の保育サービスが困難な地域もあるが、子どもや親が生活する場としての地域がある。保育所運営費の負担割合だが、公設公営保育所、公設民営保育所の運営費は市が全額負担しており、民設民営保育所は市が4割、都が4割、国が2割負担になっている。負担率も異なるし、公立保育所の一般財源化以降、市の財政負担は増えている。今後の仕組みを考えるうえで、国、都道府県、市町村の役割(財政負担、指導監査、監督等)を明確にしていくことが必要ではないか。
・待機児童の2/3の議論が椋野委員意見として出ているが、ここは冷静に考える必要がある。待機児童が50人以上いる市町村は全体の5%であり、やはり特定の市町村の問題である。この待機児童の問題をもとに全体の認可保育所の質を下げかねない話はするべきではなく、子どもの視点をもとに保育のあり方を考えることが必要。
・ややもすると今ある待機児童をどうするかという話になってしまうが、待機児童対策の話ではなく、子どもの育ちを保障する質をどう担保していくかという視点で議論がされるべき。評価に関しては、対人社会サービスとしてきちんと機能するべき仕組みがなぜ機能しないのか、厚労省でも検討する必要がある。
・データ上はそうなるが市町村はかなり抑制的に動いているので、実際は待機児童が1人でも、弾力化して受け入れを拡大したうえでなのか、そうでないのかということも違う。弾力化をして子どもを定員以上に受け入れていることに関しては質の低下を招いていることとも言える。イギリスではofstedの評価も受けて株式会社や認可外保育所等も含め無償化を受けているので参考にしてほしい。
・公定価格については、付加価値的な部分については自由な裁量が求められてもよいと思う。質量ともに拡大するには多様な事業者の参入促進をすることが必要であり、そのためにも初期投資や運営費の配当を認めることが必要。保育サービスの供給量を増やすなかでは、保育士の確保が大事になるが、都市部を中心に保育士確保が難しくなっている。認可外保育所等で一定期間働いたことを受けて、試験の際に実績として受けることができるなどの仕組みも必要ではないか。
・いかに財源を確保していくのかという制度設計が必要。
保育事業者検討会でも出されている先行制度の光と影の検証をお願いしたい。現行の評価制度の見直しも必要であり、監査の徹底が必要。
詳しくは次のホームページをご覧ください。
少子化対策特別部会
⇒厚生労働省>審議会・研究会等>社会保障審議会
⇒http://www.mhlw.go.jp/shingi/hosho.html#shoushika
保育事業者検討会
⇒厚生労働省>上記以外の検討会・研究会等>雇用均等・児童家庭局
⇒http://www.mhlw.go.jp/shingi/other.html#koyou
〔添付資料〕
(1)これまでの議論の項目と保育サービス全体について
(2)第4回次世代育成支援のための新たな制度設計に関する保育事業者検討会における委員提出資料
【第18回社会保障審議会・少子化対策特別部会】 |