少子化対策や次世代育成支援の推進が、国の最重要課題として位置づけられ、次世代育成支援のための新たな制度設計に向けた検討が厚生労働省の社会保障審議会・少子化対策特別部会において進められてきました。国は、平成22年1月に「子ども・子育てビジョン」を策定し、すべての子どもの健やかな育ちを社会全体で支えるという理念のもとに平成26年度までの子育て支援策や数値目標を示しています。そのうえで、保育制度等の改正について平成22年前半に基本的な方向を固めるとしています。
一方、児童福祉施設等最低基準の地方への委譲、基礎構造改革特区における保育所給食の外部搬入の全国展開の容認、私立保育所運営費の一般財源化の動きなど、保育制度を崩してしまうような動きに具体的な対応が迫られています。
今、保育所では、一人ひとりの子どもの生活や発達過程を見通した保育と保護者支援に加え、きめ細やかな配慮を要する子どもや保護者への個別的支援の提供や専門機関との連携が求められています。
また、地域では、家庭の養育力、地域の子育て力の低下により子育て文化が継承されていない状況や子どもへの虐待などの課題に対応するため、出産前からの切れ目のない育児支援・相談などが求められています。
私たちは、児童福祉施設である保育所を拠点とし、全国保育士会倫理綱領の遵守、保育所保育指針、自ら策定した「研修体系」による保育の質の向上と、専門性を生かした地域子育て支援を積極的に進めるとともに、全国保育協議会との協働により一人ひとりの子どもの育ちを保障する制度・基盤づくりへの取り組みを強化していかなければなりません。
子どもが豊かに育つ保育の実現のため、平成22年度は次の保育士会事業の3つの大きな柱にそって取り組みを進めます。
| 【保育士会事業の3つの大きな柱】
1.保育の質の向上
2.子育ち・子育て文化の創造
3.保育士会組織の強化
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1.保育の質の向上
・子どもが豊かに育つことを支えるために研修制度の充実による保育士等の専門性の向上をはかる。
・保育士等の専門性の明確化と関係機関との協働をすすめる。
・意欲をもって働き続けられる環境づくりをすすめる。
(1) 保育の質の向上と実践強化
①「保育所保育指針」実践による保育の質の向上の取り組み
・保育士・保育所の自己評価への取り組みの推進
・小学校との連携強化
②「保育士の研修体系」に基づく研修の提供
・保育士の研修体系に基づく研修の実施
・研修体系の見直しと周知
・都道府県・指定都市保育士会、各保育所における活用の推進
③「全国保育士会倫理綱領」の理解と遵守
(2) 専門性の向上と生涯研修の実施
①第44回全国保育士会研究大会の開催(平成22年11月19〜20日/三重県)
②第37回全国保育士研修会の開催
③保育21世紀セミナー2010の開催【全保協と共同実施】
(平成22年7月27日〜28日/横浜市)
④第24期主任保育士特別講座の実施
(前期:平成22年6月18〜21日、後期:10月1日〜4日/ロフォス湘南)
⑤第6回「保育スーパーバイザー」養成研修会の開催
⑥主任保育士特別講座修了生の動向調査の実施
⑦平成22年度都道府県・指定都市保育士会正副会長セミナーの開催
⑧研究奨励費助成の実施
⑨「第20号研究紀要2010」の作成、刊行
⑩「保育研究」の推進
・「実践研究のハンドブック(仮称)」の普及
・「平成22年度学会発表助成」の実施
・「全国保育士会研究紀要」の見直しのための検討
⑪「保育活動専門員」認証制度による専門性向上の推進
⑫本会出版物の活用と頒布の推進
(3) 子どもの育ちを保障する保育制度の構築への取り組み
(4) 保育士等が働き続けられる職場作りの推進
・保育士資格・保育士のキャリアアップ、研修制度に関する検討
・保育士等のワークライフバランス実現に関する検討
・保育士の確保と定着の推進
・保育士養成施設との連携
(5)その他必要な事業の実施
2.子育ち・子育て文化の創造
子どもの育ち、家庭の養育力、地域の子育て力を高め、子育てがより豊かなものとなるよう、保育士の専門性を生かして、地域の子育ち・子育て文化を創造するとともに子育ての社会化に取り組む。
(1)「保育の個別計画」による保育実践
①「保育の個別計画」に関する研修の実施
②「保育の個別計画」改善に向けた取り組みの実施
(2) 保育所による食育の推進
①食育推進委員会運営委員会の開催・運営
②食育推進研修会の開催(平成22年7月30日/全社協)
③研修会の開催
(3) 地域の子育ち・子育て文化の創造
①保育・子育て環境構築プロジェクト(仮称)の実施
・地域子育て支援の活動実践の紹介を含む
②保育・子育て環境改善プロジェクトの実施
(4)「保育士がこたえる子育てQ&A」の充実
(5) 子ども虐待防止に向けた取り組み
(6) 地域子育て支援を推進する保育士の支援
(7)その他必要な事業の実施
3.保育士会組織の強化
全国組織として、会員18万5千人のネットワークとスケールメリットを生かした活動の向上と、そのための体制強化を図る。
(1) 会員の拡大および本会組織強化に向けた取り組み
①会員20万人に向けた取り組み
②会員名簿の更新
③会員管理システムの運用・管理
④保育士会加入案内リーフレットの活用推進
⑤本会組織強化と次世代人材育成の取り組み
(2) 本会財政基盤強化のための取り組み
(3) 諸規程の見直し
(4) ブロック、都道府県・指定都市保育士会との連携推進
①各種助成事業の実施
・ブロック会長会議・リーダーセミナー助成の実施
・組織強化費の実施
②ブロック保育大会への協力
(5) 全国保育士会ホームページの充実
①情報提供
②会員専用ホームページの活用推進
(6)『保育士会だより』(年6回)による会員への情報提供
(7)『全国保育士会委員ニュース』発行(随時)
(8)『保育の友』(全社協出版部)への編集協力
(9) 永年勤続保育士等への感謝状の贈呈
(10)「平成22年度保育士会活動のしおり」の作成
(11) その他必要な業務の実施
4.諸会議の開催
(1) 委員総会の開催(平成22年5月13日/東京都、平成23年3月)
(2) 委員連絡会議の開催(平成22年11月18日/三重県)
(3) 事業及び会計監査の実施
(4) 常任委員会の開催
(5) 正副会長会議の開催
(6) 全保協・全国保育士会正副会長連絡会議の開催
(7) 総務部会の開催
(8) 制度・保育内容研究部会の開催
(9) 研修部会の開催
(10) 広報部会の開催
(11) 大会運営委員会の開催
(12) 研究紀要委員会の開催
(13) 全保協・全国保育士会研修担当連絡会議の開催
(14) 全保協・全国保育士会合同予算対策委員会の開催
(15) その他必要な会議の開催
5.関係団体との連携推進
(1) 全国社会福祉協議会との連携推進
① 全国社会福祉協議会評議員会
② 社会福祉施設協議会連絡会
③ 政策委員会、同施設委員会
④ 児童福祉関係種別協議会正副会長会議
⑤ 植山つる児童福祉研究奨励基金運営委員会
⑥ 福祉施設長専門講座運営委員会
⑦ 国際社会福祉基金委員会
(2) 全国保育協議会との連携推進
①全保協・全国保育士会正副会長連絡会議(再掲)
②全保協・全国保育士会研修担当連絡会議(再掲)
③全保協・全国保育士会合同予算対策委員会(再掲)
④保育所長専門講座運営委員会
(3) 全国児童養護施設協議会、全国乳児福祉協議会、全国母子生活支援施設協議会との連携推進
(4) 福利厚生センターへの協力
(5) 各種専門職団体等との連携推進
(6) アジア児童福祉施設等への支援
(7) 健やか親子21推進協議会への参画