全国保育士会がめざしていること

全国保育士会がめざしていること

(1)概要

 全国保育士会は、昭和31年に「子どもたちのまことの幸福を守るために保母は手をつなぎ、たちあがろう!」という呼びかけに賛同した人たちの手によってつくられ、現在では18万6千人余を会員とする(平成30年3月時点)、わが国最大の保育士・保育教諭等の組織です。

(2)特徴

 全国保育士会の特徴は、大きく下記の4点があげられます。

  • 全国の保育士・保育教諭等が「全国保育士会倫理綱領」の理念をもとに、「子どもの育ちを支え、保護者の子育てを支え、子どもと子育てにやさしい社会をつくる」ことを目的に事業をすすめていること。
  • 専門職としての誇りと責任をもち、会員が一体となって保育の質の向上および自らの専門性の向上をめざしていること。
  • 全国的ネットワークによる活動展開により、幅広い視野をもって各種事業に取り組んでいること。
  • 全国の福祉関係者や、福祉施設等組織の連絡・調整機関である社会福祉協議会と協働するとともに、幅広く児童福祉施設協議会等と連携・協働し、子ども家庭福祉を推進していること。

(3)平成30年度事業計画の柱

 平成30年度は、事業計画に下記の4つの大きな柱をかかげ、事業を展開しています。

  • 専門性の向上を実現するための環境構築の取り組み
  • 子どもが豊かに育つ、より質の高い保育の実現のための取り組み
  • 養護と教育が一体となった保育に対する保護者・地域社会からの理解促進のための取り組み
  • 災害被災地保育士の支援

 事業計画の4つの柱にそった、平成30年度の重点事業は下記のとおりです。

【1.専門性の向上を実現するための環境構築の取り組み】

■保育制度改革等への対応

 平成30年度は、本年4月より適用されている、保育所保育指針および幼保連携型認定こども園教育・保育要領の周知と理解促進に取り組むとともに、「子ども・子育て支援新制度」施行5年後の見直しに向けて、より現場の声が反映されるよう意見の表明等に取り組みます。

■給食外部搬入への反対姿勢の継続と食育の推進

 これまで全国保育士会は、研修会やパンフレット「食べることは生きること」の周知・活用を通して、子どもたちの健やかな心と成長を支える「自園調理」を推進する取り組みを実施してきました。
 平成29年度には、特区における3歳未満児の給食外部搬入にかかる特例措置の全国展開に対し反対意見を表明しました。その結果、外部搬入による食事提供のリスク低減等を含む各種弊害の解消や外部搬入の評価及び全国展開の可否についてあらためて評価を行うこととされました。
 平成30年度も引き続き給食外部搬入に関する動きに対応するとともに、保育所・認定こども園等における食育の推進に取り組みます。

■キャリアアップや処遇改善、職場定着への取り組み

 全国保育士会は、これまで保育士・保育教諭の専門性をより明確にし、社会的評価の向上につなげる方策として、保育士・保育教諭が誇りとやりがいを持って働き続けることができるキャリアアップの仕組みの確立や処遇改善に向けた提言等を行ってきました。
 こうした取り組みの一環として、必要な研修内容と研修レベルを体系化し、保育士の一層の能力や専門性の向上を具現化することを目的に、平成19年3月に、「保育士の研修体系~保育士の階層別に求められる専門性~」を取りまとめました(平成23年3月改訂)。研修体系は、最新の保育所保育指針および幼保連携型認定こども園教育・保育要領、平成29年4月に厚生労働省から発出された「保育士等キャリアアップ研修」の通知、さらに平成29年6月に本会がとりまとめた「保育士等のキャリアアップ検討特別委員会報告書」をふまえて内容を見直し、「保育士・保育教諭の研修体系」として改訂を行いました(平成30年3月)。
 平成30年度は、これまでの成果物を活用しながら、保育の質の向上や人材確保・職場定着に向けた取り組みを継続して行います。

■医療的ケア児への対応

 医療的ケアが必要な子ども及び保護者の支援に係る事例集を作成し、保育所・認定こども園における医療的ケア児の積極的な受け入れと保育の質向上に資することができるよう取り組みます。

■小学校との連携強化

小学校との連携強化のため、小学校関係者へ保育所・認定こども園の保育についての理解をはかるための取り組みを行います。

【2.子どもが豊かに育つ、より質の高い保育の実現のための取り組み】

 全国保育士会は、子どもの豊かな育ちを守り、子どもの最善の利益のため、研修の実施や情報提供等によって、保育士・保育教諭の専門性の向上をはかり、より質の高い保育の実現をめざしてきました。
 その取り組みの一環として、平成28年度には「保育所・認定こども園等における人権擁護のためのセルフチェックリスト~『子どもを尊重する保育』のために~」や「保育士・保育教諭として、子どもの貧困問題を考える~質の高い保育実践のために~」等のパンフレットを作成しました。平成29年度には、これらのパンフレットの活用事例を取りまとめ、一層の普及をはかりました。
 平成30年度は、これまで取り組みを進めてきた子どもの貧困や虐待等への対応を引き続き実施していくとともに、ホームページ等をとおして、子育て家庭に向けた情報発信の充実に取り組みます。

【3.養護と教育が一体となった保育に対する保護者・地域社会からの理解促進のための取り組み】

 全国保育士会は、一人ひとりの子どもの豊かな育ちを支えてきた保育の重要性や保護者支援・地域の子育て支援等の社会的役割を担ってきていることについて、保護者や地域社会に一層理解していただくために、保育の「言語化」と「発信」に取り組んできました。平成30年度もこの取り組みを進めてまいります。

【4.災害被災地保育士の支援】

 全国保育士会は、被災地の保育士を支援するため、「全国保育士会被災地支援スカンポ募金」を実施しています。本募金は、東日本大震災被災地、および平成28年熊本地震被災地の保育士会組織に対する助成にあてられています。
 平成30年度も、引き続き、「全国保育士会被災地支援スカンポ募金」を実施し、本募金を原資とした助成を行います。
 また、災害発生時および発生後の保育士・保育教諭の専門性について考える機会とするために平成29年度に作成した、「東日本大震災被災地における子どもの育ち事例集~災害時の保育士・保育教諭の専門性を考える~」の周知・活用を進めます。